Alnus ハンノキ属
落葉の低木あるいは高木。約30種が北半球に広く分布する。根粒をもち、窒素固定を行うため、裸地に植えて、土の流失を防ぐのに用いられる。
- アルヌス・インカナ Alnus incana
Betula カバノキ属
落葉の低木あるいは高木。北半球の温帯から亜寒帯に約60種が分布。
- ヨーロッパシラカンバ Betula pendula
- 英名:Silver or White Birch
- 高さ約15mの落葉高木。ヨーロッパからモンゴルにかけて分布。材は食器、パイプ、木靴などの木工細工に利用される。樹液からはカバノキワインがつくられた。種小名は「垂れ下がる」の意で、枝が枝垂れることから。日本にも各地で植えられている。
- ベトゥラ・ポプリフォリア Betula populifolia
- ベトゥラ・プラティフィラ Betula platyphylla
Carpinus クマシデ属 (Hornbeam ホーンビーム=角の梁)
落葉性の高木、小高木または低木。世界に40種が分布。温帯林を構成する主要樹種。果実は小型の堅果(けんか)で、大型の苞(ほう)がある。攪乱地にいち早くあらわれるパイオニアプラント。盆栽ではソロと称して栽培される(アカシデ、イヌシデなど)。また庭の雑木、シイタケ栽培のホダ木、薪炭材などの用途がある。
- セイヨウシデ Carpinus betulus
- 英名:European or Common Hornbeam
- 高さ20mに達する落葉高木。ヨーロッパからシベリアにかけて分布。ヨーロッパで「ホーンビーム」といえば本種をさす。庭園樹や街路樹、生垣、アーチ、迷路など様々に利用される。材は重硬で木工細工や器具材などの用途がある。
Corylus ハシバミ属 (Hazelnut)
落葉性の低木、小高木、まれに高木。北半球の温帯域に約.20種が分布。雌雄同株(しゆうどうしゅ)。果実はナッツ、食用油などに利用される。属名はギリシャ語で兜を意味し、堅果(けんか)を覆う総苞(そうほう)の形に由来。
- セイヨウハシバミ Corylus avellana
- 英名:Common Hazelnut, European Hazel
- 高さ約5~6mの落葉高木。ヨーロッパ原産。この果実がいわゆる「ヘーゼルナッツ」で、欧米では東洋のクリに匹敵する主要な食用果実。聖書にもしばしば登場する。人間だけでなくリスやノネズミも好んで食べるという。ハシバミの枝は英知の象徴とされ、かつては魔よけとして小枝を屋内に飾った。また鉱脈や水脈、埋もれた宝を見つけるためのダウジング(Dowsing)に、Y字形をしたこの枝が用いられた。
- またハシバミの果実を暖炉の火で焼いて恋占いをすることもあったという。また古代ローマでは平和と幸福をもたらす木として、結婚式の夜にたく松明として使われた。北ヨーロッパでは雷神トールの木とされ、落雷から家や墓を守ると信じられた。イギリスではハシバミでつくったくさびを3本打ち込んだ家は、絶対に火災に遭わないという言い伝えがある。ケルトでは無断でこの木を切り倒せば死刑になったとか。花言葉は「交歓、和解、平和」。