Adansonia バオバブノキ属
肥大した幹を有する壺形樹木。アフリカ、マダガスカル、オーストラリア北部などに約10種分布。
- バオバブ Adansonia digitata
- 英名:Baobab, Monkey Bread Tree, Monkey Tamarind
- アフリカ大陸中部乾燥地の森林やサバンナに分布。特異な樹形は「巨人が幹をつかんで根を引っこ抜き、逆さまにしたようだ」と形容され、「サバンナの王」とも称される。コウモリが花粉を媒介(コウモリ媒花)。果肉は酸味があり食用とされる。若葉はスープ用の野菜として利用され、種子や根も食べられる。薬用としても様々な用途がある。
- 植物体は貯水組織となり、水不足の折には人や動物によって利用される。材は非常に軽くて柔らかく、幹をくりぬいてシェルターや物資の保管場所に利用したりする。西アフリカでは、墓として使われることもある。また、盆栽の素材としても人気がある。
- アダンソニア・フォニー Adansonia fony
- マダガスカル島の中西部から南に分布。
Bombax インドワタノキ(ボンバクス)属
8種が旧大陸熱帯に分布。コウモリ媒花。パンヤノキ属 Ceiba に似るが、花はふつう赤い(パンヤノキ属は白い)。
- ボンバクス・ブオノポゼンセ Bombax buonopozense
- ボンバクス・コスタトゥム Bombax costatum
Durio ドリアン属 (Durian)
ミャンマーから西マレーシアにかけて約30種が分布。コウモリ媒花。数種の果実が食用に利用され、うちドリアン
D. zibethinus は広く栽培される。
- ドリアン Durio zibethinus
- 一般名:Durian, Civet-Cat Tree 中国名:榴蓮
- ボルネオから西マレーシアが原産と考えられている。果物の王様としてよく知られる。常緑高木で在来種は樹高が40mに達することもあるが、樹高が低く収穫のしやすい栽培品種もつくられている。果実は球形から卵形で人の頭ほどの大きさで、表面は鋭く固い刺に覆われている。マレー語で刺のことを「ドリ」といい、ドリアンの名称もこれに由来する。内部は通常5室に分かれ、各室に1個から数個の種子がある。種子の周辺にはクリーム状のアリル=仮種皮(かしゅひ)があり、これが可食部となる。独特の風味をもち、栄養価にも優れるが、チーズの腐ったような強烈な異臭を放つため、嫌われることも多い。ただ、品種や鮮度の違いにより、ほとんど異臭のしないものもあるという。種子もゆでたり煎ったりして食べる。材は建築材や家具材として利用される。
Pseudobombax プセウドボンバクス属
熱帯アメリカに20種が分布。落葉性の低木または高木。
- プセウドボンバクス・エリプティクム(ボンバクス・エリプティクム) Pseudobombax ellipticum (Syn. Bombax ellipticum)
- 英名:Shaving Brush Tree(シェービング・ブラシ・ツリー)
- メキシコからグアテマラの原産。高さ約10m。葉は掌状複葉で、長さ約30cmの3~6枚の小葉からなる。乾期に落葉し、葉が出る前に開花する。花弁は白~桃色で裏側に巻き込み、多数の雄しべが目立つ。その形状から「シェービング・ブラシ・ツリー」とよばれる。性質は丈夫で栽培も容易。