Argyreia オオバアサガオ属
常緑のつる性木本、または草本。1種がアフリカに、約90種がインド、マレーシア、オーストラリアの熱帯に分布。葉の裏に銀色の毛が密生し、中国名を「銀背藤」という。日本には自生しない。
- ギンバアサガオ Argyreia nervosa
- Silver Weed, Woolly Asian Glory
- インド原産の常緑つる性木本。熱帯地方で観賞用に栽培される。葉は心形で長さ10~35cm。葉の裏面、葉柄に白軟毛を密生する。「ミニ・ウッドローズ」の名でドライフラワーに利用される。若芽や葉は野菜に、インドでは根を強壮剤やリウマチの薬にするという。
Convolvulus セイヨウヒルガオ属
世界の温帯に分布。ヨーロッパに多い。苞葉が小さく、花柄の基部に対生につく(ヒルガオ属 Calystegia は苞葉が大きく、萼を包む)。
- コンウォルウルス・デセルティ Convolvulus deserti
Hewittia ヘウィッティア属
- ヘウィッティア・スブロバタ Hewittia sublobata
Ipomoea サツマイモ属
多くはつる性の1年草や多年草であるが、木本になるものもある。世界の熱帯を中心に約500種が知られる。属名は「芋虫
ipos」と「類似 homoios」の2つのギリシャ語に由来し、塊根が芋虫を連想させることによる。
- ヨルガオ(シロバナユウガオ、ヤカイソウ=夜開草) Ipomoea alba (Syn. Calonyction aculeatum)
- 英名:Moon Flower
- 中国名:月光花
- 熱帯アメリカ原産のつる性1年草。日本には明治初期に渡来。夏の夕方に、芳香のある直径10~15cmの大きな白い花を咲かせ、翌朝しぼむ。葉は心形で長さ10cm以上。性質は強健で各地で観賞用に栽培される。この植物をヨルガオ属 Calonyction として、サツマイモ属から区別する説もある。なお、園芸的にこの植物をユウガオと呼ぶことが多いが、ウリ科のユウガオ Lagenaria siceraria とは別物。
- サツマイモ(カンショ=甘藷、リュウキュウイモ=琉球芋、カライモ=唐芋) Ipomoea batatas
- 英名:Sweet Potato, Spanish Potato
- 中国名:番藷、甘藷
- 肥大した塊根(かいこん)を食用やデンプン原料とするために世界各地で栽培される多年草。メキシコを中心に新大陸の熱帯、亜熱帯地方で古くから栽培されていた。16世紀末にヨーロッパから東アジアにもたらされ、日本には1597年に宮古島にもたらされたのが最初とされる。その後蘭学者の青木昆陽によって各地にひろまる。
- 日本では南九州、南西諸島以外ではほとんど開花しない。開花しても結実することはまれ。世界の年間生産量は約1億トンで、中国が全体の85%を占める。食用のほか、工業用デンプン原料、アルコール原料などにも利用される。寒さには弱い。
- ノアサガオ Ipomoea indica
- 多年生のつる草。紀伊半島以南、九州、沖縄、台湾などに分布。栄養繁殖で殖える。繁殖力が非常に強く、沖縄では田畑の雑草として嫌われている。
- イポモエア・リットラリス Ipomoea littoralis
- 英名:Whiteflower Beach Morning Glory
- アサガオ Ipomoea nil 異名:Pharbitis nil
- 英名:Morning Glory
- 別名:シノノメソウ、牽牛花
- 1年生のつる植物。中国南部から東南アジアあたりが原産地とされる。わが国には奈良時代に中国から薬用として伝来したといわれている。種子を牽牛子(けにごし)とよび、下剤として用いていたが、平安時代になると、薬用から観賞の対象へと変わっていった。万葉集で歌われている「朝貌(あさがお)」は、キキョウやムクゲを指す(諸説あり)といわれているが、時代が下るとともにアサガオといえばこちらを指すようになった。さらに江戸時代に入ると、変化朝顔などの品種改良が流行し、数多くの園芸品種がつくられた。早朝にアサガオを売り歩く朝顔売りは、江戸の町の夏の風物詩であったという。明治に入ると、大輪アサガオの栽培が盛んになるとともに、手間ひまのかかる変化朝顔の栽培は次第に衰退していった。
- アサガオは栽培が容易なため、学校の理科の授業や夏休みの自由研究などでもおなじみである。
- ルコウソウ(カボチャアサガオ) Ipomoea quamoclit
- 印面は Quamoclit pennata (異名)
- 一般向:Cypress Vine
- つる性の1年草。熱帯アメリカ原産。葉は羽毛状に細く裂ける。花冠は直径約2cmの星形。花色は紅のほか、ピンク、白などもある。和名は「留紅草」または「縷紅草」。種小名 quamoclit はギリシャ語の「kyamos(マメ)」と「kliros(低い)」に由来し、マメに似てつる性で、草丈が低いことによる。日本には江戸時代の初期に渡来した。いかにも涼し気な佇まいが、夏の庭によく似合う。
- グンバイヒルガオ Ipomoea pes-caprae
- 英名:Seaside Morning Glory, Beach Morning Glory, Railroad Vine, Bayhops
- 中国名:厚藤
- 世界中の熱帯の海岸の砂浜にみられる多年草。種子は海水に浮き、長距離を移動して分布をひろげる。日本でも四国、九州の温暖な地域にみられる。和名は葉の形が行司の軍配に似ることによる。中国では薬用(痛み止め、腫れもの)としても利用される。
- マルバアサガオ Ipomoea purpurea
- 英名:Tall Moning Glory
- 熱帯アメリカ原産。つる性の1年草。花の直径約5~8cm。花色は紫色、青色、白色など変化に富む。蒴果(さくか)は熟すにつれて下を向き、上を向いたままのアサガオと区別できる。世界各地に広く帰化、また観賞用に栽培もされている。アサガオに比べ耐寒性があり、ヨーロッパで人気が高く、日本では東北地方などでもよく栽培されている。
Merremia コガネヒルガオ属
- メレミア・トゥベロサ(ウッドローズ) Merremia tuberosa (Syn. Ipomoea tuberosa)
- 英名:Wood Rose, Spanish Arborvine, Spanish Woodbine, Ceylon Morning Glory
- 熱帯アメリカ原産のつる植物。つるは長さ30mにおよび、半木質状になる。花は漏斗状で黄色。「ウッドローズ」の名は、花の終わったあと木質化した萼片が四方へ広がり、バラの花のような感じになることから。ドライフラワーなどによく用いられ、栽培もされている。また、地下の芋を食用にする場合もある。
Turbina トゥルビナ(ツルビナ)属
アメリカ熱帯に3種ほど分布。サツマイモ属 Ipomoea に近縁で同属とすることもある。
- トゥルビナ・コリンボーサ Turbina corymbosa Syn. Ipomoea sidifolia
- ツルビナ・イノピナタ Turbina inopinata
- ニューカレドニア島固有種。