Bryonia ブリオニア属
地下に塊茎を有する多年生のつる植物。ヨーロッパを中心に、10種あまりが知られる。
- ブリオニア・ディオイカ Bryonia dioica
Citrullus スイカ属
1年生または多年生のつる性草本。アフリカ熱帯、地中海東部から南西アジアに9種が分布する。
- コロシントウリ Citrullus colocynthis
- 英名:Bitter Gourd, Colocynth, Bitter Cucumber
- 熱帯アジア、アフリカ原産の多年草。寒冷地では1年草。茎は分枝しながら地面を長く這う。花、葉、果実ともにスイカをそのまま小さくしたような植物。果実の直径は約10cmで熟すと黄色くなる。果肉は白色で強い苦味があり食べられないが、種子には苦味がなく、サハラ砂漠では食用にしているという。
- スイカ Citrullus vulgaris
- 英名:Watermelon, Citron
- 熱帯アフリカ原産。エジプトでは紀元前2000頃にすでに栽培されていた。西アジアを東へ伝播し、中国には10世紀頃もたらされ、「西瓜」と名付けられたという。
Cogniauxia コグニオーキシア属
- コグニオーキシア・パドラエナ Cogniauxia padolaena
- 詳細不明
Cucumis キュウリ属
約40種が旧世界の熱帯に分布。つる性の1年草または多年草。雌雄同株。まれに雌雄異株や両性花雄花同株。
- キュウリ Cucumis sativus
- 一般名:Cucumber, Gherkin
- 中国名:黄瓜、胡瓜
- つる性の1年草。原産地はインド西北部と推定され、世界中の温帯で栽培される。未熟果を食用として利用する。果実は栽培品種により、卵形、紡錘形または長円筒形などがあり、長さ20~50cm。ほぼ96%が水分で、栄養価は低い。ビタミンCを分解するアスコルビナーゼを含有するが、酢や塩で調理すればそのはたらきを抑えられる。近年は表皮に白粉を吹かないブルームレス(ニホンカボチャの特定の品種に接ぎ木してつくられる)が好まれる。日本には10世紀以前に渡来したが、野菜として一般に食べられるようになったのは江戸時代後期。
- 【管理】おもな病気と害虫は、ウィルス病、べと病、うどんこ病、つる割れ病、アブラムシ、ネコブセンチュウなど。連作を避ける。
- 参考文献:東南アジア市場図鑑 植物篇 図説 花と樹の大事典 野菜・果物 (ヤマケイポケットガイド (21))
- ニシインドコキュウリ Cucumis anguria
- 英名:West Indian Gherkin
Cucurbita カボチャ属
1年生または多年生のつる植物。約20種がアメリカ大陸の温暖な地域に分布。うち数種は重要で、世界的に広く栽培される。
- ニホンカボチャ Cucurbita moschata
- 別名:トウナス、ボウブラ、ナンキン
- 原産は中米から南米北部の熱帯地方で、東アジアの多湿地帯から温帯北部に多く栽培される。日本への渡来はカボチャ類の中ではもっとも古く、16世紀に豊後国にポルトガル船によってもたらされた。「カボチャ」の名は、カンボジアに由来するものとして名づけられたが、関わりはない。「ボウブラ」はポルトガル語でカボチャをあらわす Abobura がなまったものといわれている。「トウナス」は中国の茄子の意。
Luffa ヘチマ属
1年生のつる植物。旧世界の熱帯と亜熱帯に8種が知られる。
- ヘチマ Luffa cylindrica
- 英名:Sponge Gourd, Loofah 中国名:絲瓜
- 別名:トウリ、ヘチマウリ(大分)、ユテゴイ(佐賀、長崎)、ダンダブット(長崎)、イトウイ(宮崎、鹿児島)
- インド原産の1年草。雌雄同株。茎は長さ10mを超え、巻きひげで物にからみつく。おもにアジアの熱帯や温帯で栽培される。日本へは17世紀頃渡来。熟した果実を水につけ、外皮や果肉を腐らせて洗い流し、たわし、靴の中敷き、帽子などをつくる。これらはかつては日本の輸出産品であったという。
- 茎を地上約30cmで切断して、根の方を瓶に差し込んで液を集めたものがヘチマ水。化粧水のほか、薬用として利尿、咳止め、きょ痰などに利用する。ごく若い果実は食用となる。また、成長しても繊維が発達せず、おもに野菜として利用される品種もある。
- 属名はヘチマのアラビア名、種小名は「円柱状の、円筒状の」の意。「ヘチマ」の由来は、ヘチマの別称イトウリ(中国名「絲瓜」の日本語読み)がなまってトウリとなったが、「ト」はイロハの「ヘ」の字と「チ」の字の間にあり、「ヘチの間」という意味からヘチマとよばれたという。
Momordica ツルレイシ属
1年生または多年生のつる植物。アフリカから熱帯アジアにかけて約80種が分布。
- ツルレイシ(ニガウリ、ゴーヤー) Momordica charantia
- 一般名:Balsam Pear
- インド原産のつる性植物。雌雄同株。未熟果を食用とし、熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されている。果実は濃緑色から白緑色で、こぶ状の突起に覆われている。ビタミンCやミネラルの含有率も高く、近年は健康野菜としての人気も高い。果実は完熟すると裂開(俗に「爆発」などともいう)し、赤い果肉に包まれた種子があらわれる。果肉は甘く食べられる。
- 日本には江戸時代に中国から導入された。ゴーヤーチャンプルーは沖縄の代表的な料理。果実は品種により、さまざまな形・色のものがある。病害虫に強く栽培も容易で、見た目も涼しく(実際に冷房効果もある)、食用にもなるとあって、近年はベランダや窓辺の夏の日よけとして、また都市の温暖化防止の一助として家庭や学校で栽培されることが増えている。
- 【管理】栽培は容易。4~5月に種まきし、ネットなどに誘因。開花後15~20日の未熟果を収穫する。
- 参考文献:東南アジア市場図鑑 植物篇 図説 花と樹の大事典 野菜・果物 (ヤマケイポケットガイド (21))
Trichosanthes カラスウリ属
1年生または多年生のつる植物。約15種が東アジアから東南アジア、オーストラリアに分布。
- ヘビウリ Trichosanthes anguina
- 一般名:Snake Gourd
- 熱帯アジア原産の1年草。果実の長さ約1m、ときに2mにもなり、ヘビのようにねじれる。日本では植物園などで観賞用に展示されているのを見かけるが、東南アジアでは食用として栽培される。タイでは生で食べたり、ゆでてオムレツの具にしたりする。
- 参考文献:東南アジア市場図鑑 植物篇