Acalypha エノキグサ属 (Copper Leaf)
約400種が熱帯から亜熱帯に広く分布。草本または木本。属名は、イラクサに似ることから、古ギリシャ名でイラクサを意味する「アカレーペ」に由来するという。
- キフクリンアカリファ Acalypha godseffiana
- ニューギニア原産の高さ約1mの低木。葉の周囲に黄白色の覆輪がある。熱帯では生垣としても利用される。寒さには弱い。
- ベニヒモノキ Acalypha hispida
- 西インド諸島原産の常緑低木。紅色の花序は美しく、長さ20~50cmになって下垂する。日本では植物園の温室などで目にすることが多い。鉢植えのほか夏の花壇にもよい。
- 【管理】繁殖は挿し木で。寒さに弱いので、冬は8~10℃以上で管理する。
- ■ベニヒモノキ参考写真:京都府立植物園(2012/6/7) 花博記念公園 鶴見緑地(2016/10/27)
- コパー・リーフ(サンシキアカリファ) Acalypha wilkesiana
- 英名:Copper Leaf, Fire-Dragon, Beefsteak Plant
- パプアニューギニア、ニューブリテン島原産の常緑低木。高さ2~4m。コパー・リーフの名は銅色の葉に由来。熱帯地域では生垣によく用いられているという。園芸品種も多い。日本には明治末年に渡来。
Aleurites アブラギリ属
落葉または常緑の高木。東アジアから太平洋諸島に数種が分布する。属名は、小麦粉を意味するギリシャ語で、ククイノキ
A. moluccana の幼葉が白粉で覆われているように見えることにちなむ。種子から乾性油(Tung-Oil)を採るために各地で栽培される。
- ククイノキ Aleurites moluccana
- 通称名:Candlenut Tree, Vernish Tree, Moluccan Oil Tree, Dudwi Nut
- 高さ約10mの常緑高木。原産地ははっきりしない。葉は浅く3裂。種子からは油脂がとれ、東南アジアから太平洋諸島にかけて広く栽培される。種子の殻は硬く、ネックレスなどの細工物に利用される。
Androstachys アンドロスタキス属
- アンドロスタキス・ジョンソニイ Androstachys johnsonii
- 現地名:Cimbirre (Mozambique), Lebombo ironwood, Nsimbitsi (Transvaal-South Africa)
- 材は、床材、家具、船舶などに利用するようである。
Emblica エムブリカ属
落葉または常緑の木本。マダガスカル、インド、東南アジア、マレーシア地域などに数種が分布。
- アンマロク(アムラ) Emblica officinalis
- 英名:Emblic Myrobalan, Indian Gooseberry
- インドが原産と考えられる落葉の亜高木。インドからマレーシア地域および中国南部にかけて分布。乾燥した果実を薬用に利用。また熟果は生食に。
Euphorbia エウフォルビア(ユーフォルビア、トウダイグサ)属
亜熱帯を中心に約2000種が分布。日本には20種が自生。このうち多肉のものは約500種あり、園芸的に「多肉ユーフォルビア」とよばれ、形態的にきわめて変化に富む。とげは側枝(そくし)や花柄(かへい)や托葉(たくよう)の変形したもので、サボテンのように短枝葉(たんしよう)の変形ではない。
- エウフォルビア・ブプレウリフォリア Euphorbia bupleurifolia
- 園芸名:テッコウマル(鉄甲丸)
- エウフォルビア・クレメルシイ Euphorbia cremersii
- エウフォルビア・ゴリサナ Euphorbia golisana
- エウフォルビア・フォルティッシマ Euphorbia fortissima
- エウフォルビア・ウィルディイ Euphorbia wildii
- ポインセチア(ショウジョウボク) Euphorbia pulcherrima
- 英名:Poinsettia, Easter Flower, Christmas Flower
- メキシコ原産。日本へは明治時代に渡来。原産地では高さ5mにもなる。ポインセチアは旧属名で、1825年に駐メキシコ大使になったポインセット(J. R. Poinsett 1779~1851)にちなむ。「植物特許」がかかっており、日本の生産者は特許料を支払って生産している。赤くなるのは苞葉。苞葉に囲まれた中央部に黄色い小さな花の集まりがある。有毒植物。
- チュウテンカク(沖天閣) Euphorbia ingens
- アフリカ南東部原産。サバンナを特色づける大型の木本性多肉植物。多肉ユーフォルビアとして栽培される。
- ハナキリン Euphorbia milii
- マダガスカル島原産。観賞用に栽培される。
- エウフォルビア・シンメトリカ Euphorbia symmetrica
- 1988年 南アフリカ
- アオサンゴ(ミドリサンゴ) Euphorbia tirucalli
- 英名:Milk Bush, Milk Hedge
- 東アフリカ原産の常緑の多肉植物。自生地では高さ7mに達する。熱帯では生垣などに利用される。有毒植物。乳液からは発癌物質もみつかっている。
- ヤドクキリン(矢毒キリン) Euphorbia virosa
- 種小名は「有毒の」の意。かつてこの植物の樹液が矢毒に用いられたことによる。
Hevea パラゴムノキ属
落葉または常緑の高木。アマゾン流域を中心に、南米熱帯地域に約20種が分布。
- パラゴムノキ Hevea brasiliensis
- 英名:Para Rubber Tree, Brazilian Rubber Tree
- アマゾン河流域の原産で、高さ17~30mになる高木。常緑または落葉。葉は互生し、3小葉からなる複葉。花は小さく、単性花で円錐花序につく。樹液から天然ゴムをとる目的で、熱帯雨林地帯で大規模に栽培されるが、最近は合成ゴムに押されて生産はそれほどではない。種子は油脂を含み、亜麻仁油の代用品となる。なお、英名及び和名の「パラ Para」とは、19世紀、ゴムの輸出港であったブラジル北部のパラ(ベレン)港に由来する。
Hieronyma ヒエロニマ属
- ヒエロニマ・ラクシフロラ Hieronyma laxiflora
Hura フラ属
2種がメキシコから南米、西インド諸島にかけて分布。
- フラ・クレピタンス Hura crepitans
- Sandbox, Monkey's Dinner Bell
- 高さ約30mになる高木。乳液や果実は有毒で、魚毒や矢毒に利用される。果実は円盤状で直径6~9cmになり、熟すと大きな音をたてて種子を飛ばす。英名のサンドボックスは、未熟の果実を油で揚げて、小さな穴を開け、インキの吸収に振りまくための砂を詰める容器にしたことによる。材は合板、梱包材などに利用される。
Jatropha ナンヨウアブラギリ(ヤトロファ)属
亜熱帯・熱帯アメリカ、アフリカに約170種が分布。高木あるいは低木。雌雄同株でまれに異株。朱赤色の花が茎頂に集散花序につく。属名はギリシャ語の「医者(iatros)」と「栄養(trophe)」の2語からなり、薬用にされたことにちなむ。多肉植物として栽培されるものもある。
- ナンヨウアブラギリ(タイワンアブラギリ) Jatropha curcas
- 一般名:Physic Nut, Barbados Nut, Purging Nut
- 中国名:油蘆子、青桐木
- 熱帯アメリカ原産の小高木。高さ2~5m。葉身は長さ10~20cm。長い柄がある。互生。広卵形で基部は心形、3~5浅裂する。花は黄緑色で小さく、茎頂付近にに総状花序をなして多数つく。種子には油(有毒)を含み、石鹸、塗料、潤滑油などの他、吐剤や下剤としても使用され、油かすは肥料になる。また若葉には毒がなく、野菜として利用される。熱帯では生垣などに植栽される。
Manihot イモノキ(キャッサバ)属
熱帯アメリカに100種以上が分布。
- キャッサバ(イモノキ、タピオカ) Manihot esclenta
- 英名:Cassava, Manioc, Manihot, Tapioca
- 熱帯アメリカ原産の、地下に芋を形成するやや木本性の植物。熱帯地方で広く栽培されている。アフリカでは芋だけでなく、野菜としてもよく利用される。無毒(甘味)品種群と、有毒(苦味)品種群とがあり、後者は毒抜きをしないと食べられない。
Ricinus トウゴマ属
トウゴマ1種からなる単型属。アフリカ東部の熱帯が原産地とされるが、現在では世界の熱帯地域に広く野生化している。属名はラテン語で「ダニ」の意味で、種子の形に由来している。
- ヒマ(トウゴマ) Ricinus communis
- 英名:Castor Bean
- 高さ1~3mになる東アフリカ原産の木質の草本。日本では1年草として扱われるが、熱帯では多年にわたり成長を続け、高さ6mを越える低木状になる。葉は互生し、掌状で5~11裂し、粗い鋸歯がある。直径は30~50cmにもなる。茎は中空。茎葉とも白蝋物質で覆われる。茎の先端部に総状花序を出し、基部に雄花を、上部に雌花をつける。果実は長さ1~3cmで、やわらかい刺に覆われているが、熟すと割れて3個の種子を出す。種子は30~50%の油脂を含み、これを精製したものがヒマシ(蓖麻子)油で、下剤の他、石鹸の原料、印鑑の朱肉などに利用される。かつては航空機エンジンの潤滑油としても使われたとか。古代エジプトでは約6000年前から利用されていた。日本には9世紀頃に中国から渡来。
- 植物体には有毒なアルカロイドであるリシニンなどを含んでいるが、加熱により分解するため、若葉や芽はゆでて水にさらせば食用になる。また葉をタバコの代用品や湿布薬として使うこともある。茎葉や果実が赤くなるものは観賞用に利用される。
Uapaca ウアパカ属
- ウアパカ・キルキアナ Uapaca kirkiana
- 材はシロアリに強く、家具や家庭用品に利用され、また、木炭や薪としても重宝される。果実は食料に、根は胃腸の治療に用いられる。