Calophyllum テリハボク属
アジア、オーストラリア、太平洋地域の熱帯を中心に約80種が分布。常緑の高木。マレー語では一般にビンタンゴール
Bintangor の名でよばれ、重要な木材資源のひとつになっている。また多くのものから樹脂が採取される。

- カロフィルム・ブラシリエンセ (サンタ・マリア) Calophyllum brasiliense (C. antillanum)
- 英名:Santa Maria
- 熱帯アメリカ原産。樹高30~40mに達する常緑高木。良材として知られる。
- テリハボク テリハボク
- 英名:Alexandrian Laurel マレー名:Bintangor, Penaga Laut 中国名:胡桐
- 熱帯の海岸に見られる常緑高木。高さ20mに達する。材は建築材、家具材などに用いられ、琉球諸島では俗に「琉球紫檀」ともよばれる。種子から採れる緑色の油は「ヤラボ油」とよばれ、リウマチなどの薬用、灯火用などに利用される。マレーシア地域では皮膚病や癩の薬にもされた。またインドネシア(ジャワ)では果実を Nyamplong と称し、リウマチ、乾癬、抜毛、癌などに用いる。




Clusia クルシア属
約100種が熱帯アメリカを中心に分布。

- クルシア・グランディフロラ Clusia grandiflora
- 花は直径9~10cm。中心部から大量の樹脂を分泌する。ハリナシバチの仲間はこの樹脂を集めて巣の補強をする。最初白色の花は次第に褐色に変化し、花冠ごと落ちる。
- クルシア・ロセア Clusia rosea
- 英名:Autograph Tree, Signature Tree
- 西インド諸島原産の常緑小高木。高さ約10m。葉は厚く丈夫で、尖ったもので表面をひっかくと文字や絵が描け、葉が落ちるまで残る。英名の「オートグラフ・ツリー」「シグネチャー・ツリー」もそのことによる。果実は熟すと星形に開いて、粘りけのある赤い種子を出し、鳥によって散布される。種子は他の樹木上で発芽し、長い気根を出してからみつき、結局はホストを殺してしまう。


Garcinia フクギ属
常緑の高木または低木。約200種がアジアとアフリカの熱帯に分布する。植物体を傷つけると黄色の乳液を出す。70種近くが食用にされるが、産業的に重要なものはマンゴスチンのみである。
- マンゴスチン Garcinia mangostana
- 一般名:Mangosteen(英)、Manggis(マレー)
- 高さ9~12mになる常緑高木でマレー半島が原産地とされる。果実の外観はカキに似て、直径約5~8cm。果肉は甘さ、酸味、香りのバランスがよく、熱帯果実の女王といわれる。雌雄異株であるが、雄株がほとんどなく、雌株だけで果実をつける。品種改良もされていない。ミャンマーやインドネシアでは、果皮を下痢の特効薬として使う。


Hypericum オトギリソウ属 (St.John's Wort)
北半球の温帯を中心に約300種が分布する。1年草、多年草、または低木。葉は対生で、明点または黒点がある。萼片、花弁ともに5枚。観賞用に利用される種が多い。また止血など薬用としても用いられる。

- ヒペリクム・エリコイデス Hypericum ericoides
- セイヨウオトギリ Hypericum perforatum
- 一般名(英名):Common St.John's Wort (聖ヨハネの草)
- ヨーロッパ原産。高さ20~80cm。ヨーロッパでは古くからこの植物が悪魔を祓う力があるとされ、中世以降、魔よけとして聖ヨハネの日(6月24日)に、戸口や室内に吊す習慣ができたという。ハーブティーとして痛風、関節炎、夜尿症、生理痛などに服用したり、新鮮な花をオリーブ油に浸し、火傷や外傷に用いたりした。


Mammea マンメア属
常緑の高木。熱帯アメリカと西インド諸島、熱帯アフリカ、マダガスカルとインドからマレーシア地域にかけて約40種が分布。
- マメイリンゴ(マメイ) Mammea americana
- 英名:Mammey, Mammey Apple
- 高さ約20mになる高木。西インド諸島、熱帯アメリカ原産。内部は鮮黄色。多汁で生食用にされ、またジャムやシチューにも使われる。花は香水原料になる。樹皮からは樹脂 Resina de Mammey が採取される。


Symphonia シムフォニア属
約17種がマダガスカル島に分布する。
- シムフォニア・グロブリフェラ Symphonia globulifera
