Juglandaceae クルミ科
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Juglandaceae クルミ科
- 8属約60種が北半球の温帯を中心に広く分布し、数種が中米南米北部に分布している。葉は羽状複葉。多くは落葉高木。花は単性で花弁がなく、穂状花序(すいじょうかじょ)。サワグルミ属、ノグルミ属、エンゲルハルティア属では堅果の外側の組織が翼状になって風散布を助ける。クルミ属やペカン属の堅果(けんか)は多量の脂肪を含んでいて栄養価が高く、リスなどの小動物が好んで食べる。またこれらの小動物は、果実を冬越しのために落葉の下などに貯食する性質があるが、それらの果実がそのまま翌年に芽生えることがあり、結果として果実散布を助けている。植物と動物の共生関係の例としてもよく取り上げられる。またクルミ科の植物は川沿いに生えていることが多いが、堅果の内側には空洞があり、水に浮きやすい構造になっている。そのため川の流水を利用して分布をひろげているとも考えられている。
- 果実はナッツや菓子材料として利用され、クルミ油は食用、皮膚病薬、絵の具の原料などに用いられる。樹皮は染料や駆虫剤に利用される。またクルミ属やペカン属の木材は材質が優れ、家具材や小銃の台木など、広い用途に用いられる。果実の利用は古く、縄文時代の遺跡からも出土している。堅い殻に実が包まれていることから、ヨーロッパでは生命や豊穣のシンボルとされ、ギリシャ・ローマ時代には結婚式でこの実を煮て食べたという。また、シワの多い果皮は人間の脳に似ているので、中世ヨーロッパではすりつぶしたクルミの実に草を混ぜて精神病薬にしたという。