Liriodendron ユリノキ属
シナユリノキ(L. chinense)、ユリノキ(L. tulipifera)の2種だけで独立したユリノキ連を構成する(連は科と属の中間の階級)。
- ユリノキ(ハンテンボク、チューリップ・ツリー) Liriodendron tulipifera
- 英名:Tulip Tree, Yellow Poplar, Whitewood
- 落葉高木。北アメリカ東部に広く分布。高さ60mにも達する高木になる。現在では世界中の温帯域で、街路樹や庭園木として植栽されている。材は加工しやすく、建築材、家具など広い用途がある。ネイティブ・アメリカン(アメリカ先住民)はこの木から丸木船をつくった。成長が早く、条件がよければ実生から10年で高さ10mをこえる。和名のハンテンボクは、葉の形が半纏(はんてん)に似ることからつけられた。樹皮に含まれるアルカロイドは心臓や神経に作用。
Magnolia モクレン属
東アジアと北米東部に約70種が分布。
- タイサンボク Magnolia grandiflora
- 英名:Evergreen Magnolia, Bull Bay, Laurel-Leaved Magnolia, Large Magnolia, Southern Magnolia
- 中国名:洋玉蘭
- 北米南東部原産。耐寒性が強く温帯地域でも容易に栽培できる。洋種であるが日本の寺院にもよく植えられている。
- マグノリア・シーボルディー (印面のまま) Magnolia sieboldii
- 英名:Siebold's Magnolia
Manglietia モクレンモドキ属
東アジア南部から東南アジアにかけて約25種が分布。胚珠が3~4個で、葉の裏が得意な青白色を呈するのが特徴。
- マングリエティア・インシグニス Manglietia insignis
- 中国名:紅花木蓮
- 高さ30mに達する常緑高木。ヒマラヤ中部から中国南部の山地に分布する。観賞用に栽培される。
Michelia オガタマノキ属
常緑の低木、または高木。東アジアから東南アジアにかけて約45種が知られる。属名はイタリアの植物学者、ミケリ(P.
Micheli, 1818-1871)に由来。
- キンコウボク(チャンパカ) Michelia champaca
- 英名:Champac Michelia
- 中国名:黄蘭
- 樹高30mに達する常緑高木。東南アジア原産。花からは精油がとれ、香水の原料にされる。葉は養蚕に利用される。中国では根を薬用に利用する。東南アジア一帯では一般的に親しまれている木で、祭りや宗教儀式によく用いられる。また、インドでは神聖な木とされ、ヒンドゥー教寺院などに植栽される。日本でも温室内で容易に栽培できる。