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スイレン科 Nymphaeaceae

スイレン、コウホネ、オニバス、オオオニバス、オンディネアの5属を含む。美しい大型の花をもつものが多い。

 Nymphaea スイレン属
 熱帯から温帯にかけて約50種が分布する水生の多年草。種子や根茎は食用とされることもある。また根茎にはヌファリジン nupharidine を含み、胃腸薬として使われる。美しい花をもち、多くの園芸品種がある。

スイレン Nymphaea sp. スイレン
Nymphaea sp.
英名:Water lily, Pond Lily
中国名:睡蓮
 水底の泥中に太い根茎をもつ。葉は水面に浮き、円形で基部に切れ込みがある。花は水面に浮くか、または水面よりやや上で咲く。
 属名はギリシャ神話の水の精ニンファ(Nympha)に由来する。アルカロイドを含むため、古代エジプトやマヤでは、祭司が花を幻覚剤として用いたという。
1982年 オートボルタ

ニムファエア・ロトゥス
Nymphaea lotus
 アフリカ北部原産の夜咲きスイレン。花は直径15〜25cmで白色。芳香がある。歯の直径は約40cm。縁に鋸歯あり。アフリカやインドでは、種子や根茎を食用にすることがあるという。また古代エジプトの壁画や美術品に描かれたスイレンは本種であるという。
ニムファエア・ロトゥス Nymphaea lotus
1977年 ガンビア
Nymphaea lotus
1982年 マリ

ニムファエア・ミクランタ Nymphaea micrantha ニムファエア・ミクランタ
Nymphaea micrantha
1967年 ダホメー

Nymphaea zanzibariensis ニムファエア・ザンジバリエンシス
Nymphaea zanzibariensis
1965年 ルーマニア


 Victoria オオオニバス属
 巨大な浮葉を有する多年生の水草。南米に2〜3種が分布。属名はヴィクトリア女王にちなむ。

オオオニバス
Victoria regia (Syn. V. amazonica )
英名:Royal Water-Lily
 南米ボリビアからアマゾン地方原産の多年生水草。浮葉の直径は2mにもなり、世界一巨大な葉をつける被子植物として知られる。葉の縁は反ってたらい状になり、小さな子供なら上に乗ることもできる。白色の花は直径約30cm。夜咲きで芳香を放つ。

 大阪市にある咲くやこの花館発行の「咲くやこの花館 TOPICS 2009/10〜12 VOL.75」に、同館内の「緑と水のレストラン」で、オオオニバスを食材とした『オオオニバスときのこの和風スパゲティ』という料理を始めたという記事が掲載されていた。記事によると、オオオニバスは原産地においても「葉や葉柄を食べるという報告はなく、種子を食用とする事例があるのみ」とのことだが、新潟県の福島潟などでは、古くからオニバス Euryale ferox を食べる風習があり、「ドンバス料理」と呼ばれている。ならば似たような形態のオオオニバスも食べられるのではないか、ということで調理、試食してみたところ、ズイキ(サトイモの葉柄)のような食感でとても美味しく、これはいけるということで、メニュー化を進めることになったとのこと(大阪一流の、良い意味でのイチビリ(※)精神大躍如といったところでしょうか(^^;)。ただ、葉の裏、葉柄、蕾などにびっしりと生えている鋭い刺をとるために、調理の下準備は大変な作業となるようです。
 興味のある方は一度ご賞味あれ。1日10食限定で、税込880円(2009年10月現在)。

(※)「イチビリ」とは関西地方で使われる言葉ですが、軽蔑の意味をこめた言葉としても使われるようなので、あえて「良い意味で」と付け加えました(私自身は軽蔑の意味で使ったことはなく、むしろほめ言葉として使うのですが、ネットで調べるとマイナスの意味でも使われるようなので…)。ここでは「楽しいことをする人」といった意味。
Victoria amazonica
1965年 ルーマニア
Victoria amazonica
1995年 ルーマニア



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