切手植物園(Home)    国名一覧表    科名一覧表    和名一覧表    Country Name Index    Family Name Index

ケシ科 Papaveraceae

草本、まれに木本。23属約210種が、北半球の亜熱帯から温帯にかけて広く分布。多くはアルカロイドを含み有毒で、薬用に用いられる。また大型の美しい花をつけるものも多く、園芸的価値も高い。

 Argemone アザミゲシ属 (Argemony, Prickly Poppy)
 1年草または多年草。南・北アメリカ大陸に約30種が、ハワイ諸島に1種が分布する。属名はケシに似た植物の意。

Argemone mexicana アザミゲシ
Argemone mexicana
英名:Mexican Prickly Poppy, Devil's Fig
 北アメリカ南部の乾燥地域に分布。高さ30〜60cmになる1年草。花は黄色で直径約7cm。日本には江戸時代末期に伝わった。葉は羽状に切れ込み、刺がある。種子は油を含み、灯火用や石鹸の原料として利用される。
1983年 スリナム


 Eschscholzia ハナビシソウ属
 北米西部に12種が分布。1年草または多年草。

ハナビシソウ Eschscholzia californica ハナビシソウ(花菱草)
Eschscholzia californica
英名:Common California Poppy 中国名:花菱草
 北米のカリフォルニア、オレゴン州の原産。高さ50〜60cmの1年草または多年草。形態の変異が大きく、以前は多くの種に分けられていた。南アフリカ、地中海沿岸、アジア西南部、オーストラリアなど各地に帰化が見られる。園芸品種には八重咲きのものや、紅、白、ピンクなどの花色のものもある。
ハナビシソウ参考写真(兵庫県芦屋市呉川町 2005年5月11日)


鳥はカンムリウズラ Callipepla californica 英名:California Quail
1982年 アメリカ


 Glaucium ツノゲシ属
 直根性の1年草〜2年草。ヨーロッパの大西洋沿岸や地中海、黒海の沿岸、アジアの西南部から中国西部にかけて分布。海岸地域に多く、英名も Sea Poppy という。属名は、ギリシア語の「灰青色の(glaucos)」に由来し、粉白色の葉にちなむ。

Glaucium flavum ツノゲシ
Glaucium flavum
英名:Horned Poppy, Bruise-Root
 ヨーロッパ原産の多年草。葉はやや多肉質で、銀白色。花は直径5〜10cm。黄、橙黄、橙赤などの色がある。和名は花がケシに似ていて果実が長い角状であることにちなむ。
 種子からとれる油は食用になる。
1972年 旧ソ連


 Papaver ケシ属
 1年草あるいは多年草。約90種あり、多くが地中海沿岸に分布。属名は、幼児に与える粥 papaに由来し、催眠作用のあるケシの乳汁を粥に混ぜて子供を寝かせたことによるという。

Papaver alpinum タカネヒナゲシ(ミヤマヒナゲシ)
Papaver alpinum
一般名:Alpine Poppy
中国名:高山罌粟
 ヨーロッパの極地やアルプス・ピレネーの山岳地に分布する。花色は白、黄、オレンジ、淡紅、紅など。アイスランドポピーをごく小型にしたような形状。地域的な変異が大きい。秋まきで4月に開花する。
1975年 旧ソ連

Papaver bracteatum ハカマオニゲシ
Papaver bracteatum
英名:Bracted Poppy, Great Scarlet Poppy
 オニゲシに似るが、花の基部に2枚の大きな苞がつく。ただ、園芸用のオニゲシにもこの特徴の見られるものがあり、同定の決め手にはならないという。日本では麻薬原料植物に指定されており、厚生労働大臣の許可がないと栽培はできない。
1986年 イラン

ナガミヒナゲシ Papaver dubium ナガミヒナゲシ
Papaver dubium
 地中海沿岸地方の原産。雑草として世界各地に広がり、近年は日本の各地でも見られる。

 左の切手に描かれているのは、手元の切手資料にはナガミヒナゲシになっているのですが、花色はどう見てもヒナゲシ P. rhoeas そのものに見えます。実際のところはどうなのでしょう。
??年 アンドラ(フランス郵政) 


Papaver orientale オニゲシ
Papaver orientale
英名:Oriental Poppy
 地中海から小アジア原産の多年草。高さ60〜100cm。葉は羽状に全裂し、裂片は披針形から長楕円形。花は深紅色で直径15〜20cm。基部に黒い斑がある。観賞用に栽培され、園芸品種も多い。日本には明治時代に渡来。
1986年 イラン

ヒナゲシ
別名:グビジンソウ(虞美人草)
Papaver rhoeas
 ヨーロッパ南部原産。高さ30〜80cm。現地では麦畑や荒れ地の雑草として繁茂し、「赤い雑草」などともよばれる。フランスでは「ココリコ」とよび、花色を雄鶏のトサカに見立てた。
 日本には江戸時代に渡来。別名の「虞美人草」は、中国の項羽の愛姫、虞美人にちなむといわれるが、ヒナゲシが中国に伝わったのは1000年も後の唐の時代という。夏目漱石の『虞美人草』は、小説の題名に窮した漱石が散歩の途中、植木屋で鉢植えのヒナゲシを買うが、その名を虞美人草と知り、それを小説の題名にしたという。
 花言葉は「慰安」、「安息」、「感謝」。
ヒナゲシ Papaver rhoeas
1973年 ハンガリー
ヒナゲシ Papaver rhoeas
1959年 スイス

ケシ
Papaver somniferum
英名:Opium Poppy, Garden Poppy
中国名:罌粟, 罌子粟
 地中海東部沿岸から小アジアにかけての地域が原産。日本には室町時代に中国あるいはインドから渡来したといわれる。茎は直立し、無毛で高さ2m近くになり、全体に粉白をおびる。5月頃に直径約10cmの花をつける。純白のほか、紅、紫、絞りなどさまざまな花色の園芸品種がある。
 アヘンの原料として古くから栽培されるが、日本では「麻薬取締法」および「あへん法」によって、一般の栽培が禁止されている。種子は食用となり、ケシ油をとる。
ケシ Papaver somniferum
1960年 東ドイツ
Papaver somniferum
1955年 ユーゴスラビア



切手植物園(Home)   国名一覧表   科名一覧表   和名一覧表   Country Name Index   Family Name Index