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マツ科 Pinaceae

 裸子植物の中で最大の科。北半球のおもに温帯に11属約220種が分布する。スギ科、マキ科に比べて比較的新しいグループであるという。球果が木質で果鱗(かりん)がらせん状につき、種子は種鱗(しゅりん)に2個ずつつく。マツ亜科、カラマツ亜科、トウヒ亜科、モミ亜科の4亜科11属に分類される。

 Abies モミ属
 北半球の暖帯から亜寒帯にかけて46種が分布。

アルプスモミ Abies lasiocarpa ミヤマモミ(アルプスモミ)
Abies lasiocarpa
1980年 リヒテンシュタイン

アルジェリアモミ Abies numidica アルジェリアモミ
Abies numidica
 (Syn. A. baberiensis
1983年 アルジェリア

Abies pinsapo スペインモミ
Abies pinsapo
一般名:Spanish Fir
1972年 スペイン

 Cedrus ヒマラヤスギ属
 ヒマラヤ西部、西アジア、アフリカ北部に4種が分布。モミ亜科。

レバノンスギ Cedrus libani
レバノンスギ
Cedrus libani
英名:Cedar of Lebanon
 枝は上向きに張る。レバノン、シリア、トルコ南部に自生するが、乱伐がたたり、現在は小さな林が残るのみで保護活動もおこなわれているようである。
1984年 トルコ


 Larix カラマツ属 (Larch)
 落葉性の針葉樹。長枝、短枝ともに針状の葉をつける。北半球の亜寒帯に約10種が分布。春の新芽や秋の黄葉が美しく、庭園樹、公園樹などとして利用される。また、材も建築、木工、パルプ用材などに利用される。

ヨーロッパカラマツ(オウシュウカラマツ)
Larix decidua
英名:European Larch
 ヨーロッパ中部から北部に分布する。樹高20〜30m。
Larix decidua
1998年 スロベニア
Larix decidua
1995年 ポーランド

Larix sibirica シベリアカラマツ
Larix sibirica
1982年 モンゴル


 Picea トウヒ属
 約40種が北半球の温帯から亜寒帯に広く分布。林業上重要な樹種を含む。材は比較的軽軟で、耐朽性や強度は低いが、加工性はよい。

Picea abies ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)
Picea abies
英名:Common Spruce, Norway Spruce
 北方針葉樹林の代表的な樹種。樹高30〜40m。ヨーロッパ北部から中央部まで広く分布して純林を形成する。ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)もこの種が主体となっている。多くの園芸品種がある。
1998年 スロベニア

Picea glauca カナダトウヒ
Picea glauca
一般名:White Spruce
 北米に分布。樹高約20m。材は淡黄色。建築、室内建造材、パルプ材にされる。観賞用にも利用される。
1996年 ルーマニア

Picea obovata シベリアトウヒ
Picea obovata
1982年 モンゴル

Picea omorica ピケア・オモリカ
Picea omorica
1996年 ルーマニア

ピケア・オリエンタリス Picea orientalis ピケア・オリエンターリス(コーカサストウヒ)
Picea orientalis
1984年 トルコ

Picea pungens アメリカハリモミ
Picea pungens
一般名:Colorado or Blue Spruce
 樹高30m以上に達する高木。北米ロッキー山脈に分布。観賞用に利用される。
1996年 ルーマニア

Picea sitchensis シトカトウヒ
Picea sitchensis
一般名:Sitka Spruce
 高さ70m以上に達することもある高木。北米太平洋側に分布。材は軽軟。心材はやや紅色を帯びる。建築、室内家具、細工物、パルプ材などの利用がある。
1996年 ルーマニア


 Pinus マツ属
 常緑の裸子植物。北半球に広く分布。

ムゴマツ(モンタナマツ)
Pinus mugo

英名:Mugo pine, Dwarf mountain pine , Swiss mountain pine
 ハイマツP. pumila (5葉)に似るが2葉の松。
ムゴマツ Pinus mugo
1999年 サンマリノ
Pinus mugo
1995年 ポーランド
Pinus mugo
1979年 ドイツ

Pinus nigra オウシュウクロマツ(ヨーロッパクロマツ)
Pinus nigra
英名:Austrian Pine
1998年 スロベニア

マケドニアマツ Pinus peuce マケドニアマツ
Pinus peuce
英名:Macedonian Pine, Balkan Pine
ブルガリア、マケドニア、ギリシャなど地中海沿岸に分布。大型の高木。樹冠は円錐形。球果は長さ約20cmで下垂する。
1992年 ブルガリア

カイガンショウ
Pinus pinaster
Pinus pinaster
1996年 ルーマニア
Pinus pinaster
1972年 スペイン

ストローブマツ
Pinus strobus

英名:Eastern White Pine
北米東部原産の5葉松。高さ50mに達する。重要な木材樹種で、日本でも明治中期以降、北海道など北日本に造林された。松枯病の病原体であるマツノザイセンチュウはこの松によって持ち込まれたとされる。
ストローブマツ Pinus strobus
1978年 アメリカ
ストローブマツ Pinus strobus
1982年 アメリカ
鳥はアメリカコガラ Parus atricapillus
英名:Black-capped Chickadee

ヨーロッパアカマツ(オウシュウアカマツ)
Pinus silvestris
 ヨーロッパ、カフカス、小アジア、シベリアに広く分布。高木のマツではもっとも北に生育。樹高50mに達するものもある。水はけのよい乾燥した環境を好む。山火事のあとなどに他に先がけて生育する先駆植物(パイオニアプラント)。
ヨーロッパアカマツ Pinus silvestris
1999年 サンマリノ
ヨーロッパアカマツ Pinus silvestris
1993年 チェコ共和国
Pinus sylvestris
1996年 ルーマニア
Pinus sylvestris Pinus sylvestris
2004年 ベラルーシ 1982年 モンゴル


 Pseudotsuga トガサワラ属
 トガサワラの名は、外見はトガ(ツガ)に似て、材はサワラに似ることによる。属名 Pseudotsuga も「偽のツガ」の意。ツガ属との違いは、枝に葉枕(ようちん)がほとんどないこと、球果の苞鱗(ほうりん)の先が3裂し、種鱗より長く突出することなど。

アメリカトガサワラ アメリカトガサワラ
Pseudotsuga menziesii
高さ70〜90mに達する高木。北米のブリティッシュ・コロンビアからカリフォルニアにかけて分布し、大森林をつくる。重要な林業樹種のひとつで、材はベイマツ(米松)の名で日本にも輸入される。欧米では観賞用の庭園樹としても利用される。
カナダ 普通切手




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