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Zingiberaceae ショウガ科

世界の熱帯に約50属1100種が分布。東南アジア・マレーシア熱帯地域にとくに多い。地下に肥大した根茎をもつ。香辛料、薬用、生活用具の材料など、さまざまな用途をもち、地下茎は発達しない。茎のように見えるものは葉鞘(ようしょう)が巻き重なったもので偽茎(ぎけい)とよばれる。

 Alpinia ハナミョウガ属
 アジアの温暖な地域から太平洋諸島にかけて約250種が分布。穂状花序(すいじょうかじょ)または円錐花序(えんすいかじょ)が偽茎(ぎけい)に頂生する。大型の美しい花をつける種が多く、観賞用に栽培される。また根茎や果実には芳香と辛みがあり、健胃薬や消化剤として用いられる。茎(偽茎)はマットやロープに、葉は屋根ふきや壁に利用される。
 属名はイタリアの植物学者 A. アルピニの名にちなむ。
アルピニア・プルプラタ
Alpinia purpurata
英名:Red Ginger
 東マレーシア地域原産と推定されている。高さ3〜4m。赤い苞葉が美しく、「レッド・ジンジャー」とよばれ、観賞用に栽培され、ハワイでは切り花としても利用される。
アルピニア・プルプラタ Alpinia purpurata Alpinia purpurata
1987年 ソロモン諸島 1985年 グレナダ

アルピニア・ラフレシアナ Alpinia rafflesiana アルピニア・ラフレシアナ
Alpinia rafflesiana
1993年 マレーシア

サンニン(ゲットウ)
Alpinia speciosa
 Syn. A. zerumbet
英名:Shell Flower, Shell Ginger
中国名:艶山姜
 マレーシア熱帯地域(東南アジアの島嶼部)から東アジアの温暖な地域にかけて分布。世界各地で栽培もされる。茎は束生。高さ2m〜3m。葉は2列に互生、光沢がある。基部は葉鞘(ようしょう)となり茎を包む。夏に芳香のある白色の花を穂状花序(すいじょうかじょ)に頂生し、下垂する。唇弁(しんべん)には赤と黄色の斑紋がある。
 東南アジアでは偽茎(ぎけい)は裂いてマットや編み物細工に用いたり、柔らかい部分は野菜として利用したりする。また広い葉は屋根葺きに使われ、食品を包んだり香りをつけたりすることにも用いられる。南西諸島や九州ではこの葉でよもぎ餅を包んだりする。
 なお、葉に黄色や白の斑(ふ)が入るものはフイリゲットウ A.vittata とよばれる。
サンニン(ゲットウ) Alpinia speciosa
1962年 琉球
Alpinia zerumbet
2000年 ピトケアン島
Alpinia zerumbet
1985年 Ascension
Alpinia speciosa
1984年 ラオス


 Curcuma ウコン属
 旧世界の熱帯に約50種が分布。属名はアラビア語で「黄色」を意味する「クルクム kurkum」に由来。染料、調味料、薬などに用いられる種を含む。

ウコン(ターメリック)
Curcuma longa Syn. C. domestica
英名:Turmeric
 発達した根茎をもつ多年草。葉は先のとがった楕円形で長い葉柄があり、長さ40〜100cm。2列互生する葉の間から高さ20〜40cmの花茎を出し、淡緑色の苞葉のあいだから直径約1cmの黄色の花を出す。花茎上部の苞葉は白く美しい。根茎は鮮褐色の肉質をもち、カレー粉などの香辛料や着色料、黄色の染料に、また健胃、強壮、止血などの薬用に利用される。東南アジアでは高価なサフランの代用として使われ、タイ南部からマレーシアではターメリックを使った炊き込みご飯を「サフランライス」とよぶ。
ウコン(ターメリック) Curcuma longa
1993年 エチオピア
Curcuma longa
1997年 インド

Curcuma singularis ウコンの一種 ウコンの1種
Curcuma singularis
1967年 ラオス

 Elettaria ショウズク属 (Maton)
 インドから西マレーシア熱帯地域に数種が分布。花序が円錐状になって長く伸びる。属名は原産地であるインド南西部での現地名にちなむ。

ショウズク(カルダモン)
Elettaria cardamomum
英名:Cardamon, Malabar Cardamon
中国名:小豆蒄
 インド南西部原産の多年草。偽茎の高さは約1〜4mになる。種子はカレー料理に、茶、コーヒーの香り付けなどに利用される。また漢方では芳香健胃薬とする。世界の熱帯各地で栽培されている。
Elettaria cardamomum
1995年 モーリシャス
カルダモン Elettaria cardamomum
1962年 カンボジア


 Etlingera エトリンゲラ属
 従来のアカスマ属 Achasma 、ゲアントゥス属 Geanthus 、ニコライア(トーチジンジャー)属 Nicolaia の3属が統合されたもので、熱帯アジア、オセアニアに約70種が分布。
エトリンゲラ・リットラリス Etlingera littoralis エトリンゲラ・リットラリス
Etlingera littoralisAchasma megalocheilos
英名:Earth Ginger
 マレー半島、スマトラ島などに分布。花序は地面近くで生じ、直径は約10cm。数個の花がいっぺんに咲く。唇弁は長さ約4.5〜5.5cm。英語で Earth Ginger とよばれるもののうちのひとつ。
 なお、切手には Achasma megalocheilos という従来の学名が記載されている。
1993年 マレーシア


 Hedychium シュクシャ属
 シュクシャ(縮砂)属は、東南アジアからマレーシア地域に約40種が分布。マダガスカル島にも1種が隔離分布する。地生または着生。属名はギリシア語で「芳香」を意味する語と、「雪」を意味する語の合成語に由来する。観賞用、薬用に用いられる種が多い。

キバナシュクシャ Hedychium gardnerianum キバナシュクシャ Hedychium gardnerianum
英名:Ginger Lily
原産はヒマラヤのシッキム、アッサム地域とされるが、はっきりしない。シュクシャ属の女王と呼ばれる。花は淡黄色で芳香があり、生花の花材にされたり、熱帯では女性の首飾りにもされる。
1985年 Ascension


 Kaempferia バンウコン属
 旧世界の熱帯に約70種が分布。地上茎はなく、花序が根茎から出る。シュクシャ属に近縁。
カエムプフェリア・アエチオピカ Kaempferia aethiopica カエムプフェリア・アエチオピカ
Kaempferia aethiopica
1963年 マリ


 Siphonochilus シフォノキルス属
Siphonochilus aethiopicus シフォノキルス・アエチオピクス
Siphonochilus aethiopicus
英名:Natal Ginger, Wild Ginger, African Ginger
2000年 南アフリカ


 Zingiber ショウガ属
 熱帯アジアに約100種が分布。肉質の根茎をもつ多年草。葉は2裂互生。葉鞘の基部はややふくれる。穂状花序が花茎の先端につき、苞葉(ほうよう)が瓦重ね状に密生する。
オオヤマショウガ Zingiber spectabile オオヤマショウガ
Zingiber spectabile
 熱帯アジア原産。偽茎が高さ1〜3mになる大型の多年草。円柱状の花序は長さ約12〜30cm。苞葉ははじめ黄緑色でのちに赤くなる。庭園での観賞用や切り花用に栽培される。
1993年 マレーシア



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