Agave リュウゼツラン属
およそ100種が北アメリカ南部から南アメリカの熱帯地域に分布。観賞用のほか、繊維原料、食用、洗剤、果糖原料など、さまざまな用途がある。
- サイザルアサ Agave sisalana
- 英名:Sisal Hemp, Sisal Agave 原産地はメキシコから中米、現在では世界の熱帯や亜熱帯で栽培される。種小名および英名・和名はメキシコのユカタン半島にある港 Sizal に由来する。
- アガウェ・アッテヌアタ Agave attenuata
Cordyline センネンボク(コルディリネ)属
アジア、太平洋諸島に15種が分布。葉には葉柄があり、多肉質の地下茎をもつ。根は白色。子房3室で各室に6~15個の種子を含む。観賞用に、また繊維や果糖生産のため栽培される種が多い。この属を英語や園芸名では「ドラセナ
dracena」と総称するが、近縁のリュウケツジュ属も「ドラセナ」とよばれ、両者はよく混同される。【園芸】繁殖は挿し木、茎挿し(2節ずつ切って用土に挿す)、根伏せで。葉を美しく保つため、葉水をまめに与え、よく日に当てる(夏場は遮光を施す)。
- コルディリネ・オブテクタ Cordyline obtecta
Dracaena リュウケツジュ属 (Dracena)
アフリカ、マダガスカル島、アジアから太平洋諸島に約60種が分布。センネンボク属に似るが、多肉質の地下茎がなく、根は黄色、子房3室で各室1種子のことが多い。観葉植物として栽培されるものも多く、マッサンゲアナは「幸福の木」という名前で流通している。分類体系によってはリュウケツジュ科とされる場合もある(ダールグレンら
1985年)。【園芸】栽培は容易で成長も速い。日陰にも強いが、日当たりの良い場所で育てる方が、葉も美しく丈夫に育つ。冬は8℃くらいで越冬する。繁殖は取り木、挿し木など。
- ドラカエナ・アウブリアナ Dracaena aubryana
- ドラカエナ・キンナバリ Dracaena cinnabari
- インド洋の西端、紅海の入り口付近に浮かぶソコトラ島の固有種。種小名 cinnabari は「竜血の」の意。この種の樹皮から採れる赤い樹脂は古代から同島の重要な輸出品であった。乾燥した気候に適応し、長期間雨が降らなくとも、朝霧などから効率的に水を集めて生きていくことができるという。近年は、放牧されているヤギなどの食害を受け、D. draco と同様、絶滅の危機に瀕しているという。
- リュウケツジュ Dracaena draco
- 英名:Dragon Tree
- カナリア諸島原産。高さは20mに達するものもある。もっとも長寿の植物として知られ、推定樹齢7000年を超す個体もあるという。幹を傷つけると暗紅色の硬い樹脂 Dragon's Blood を分泌する。これがこの木の名前のもととなった。この樹脂は「麒麟竭(きりんけつ)」ともよばれ、ワニスの着色などに利用された。現在は絶滅危惧種として保護されている。種小名は竜の意。
- ドラカエナ・フラグランス(ニオイセンネンボク) Dracaena fragrans
フォルミウム属 (Flax Lily)
多年草。分類学上、孤立した属で、2種がニュージーランドとノーフォーク島(オーストラリア)にあり、ユッカ属と関連があるとされる。
- ニュージーランドアサ(ニュウサイラン、マオラン) Phormium tenax
Polianthes ゲッカコウ属
球根状の塊茎を有する多年草。夜間に強い香りを放ち、自然状態では蛾によって送粉される。
- ゲッカコウ(チューベローズ)
- Polianthes tuberosa
- 英名:Common Tuberose 中国名:晩香王
- 草丈約1m。夏に白花を多数つけ、夜間に強い芳香を放つ。この植物を俗にイエライシャン(夜来香)とよぶこともあるが、本来のイエライシャンはガガイモ科の植物(Telosma cordata )で、他にもヤコウカ(ナス科)、マツヨイグサ(アカバナ科)をイエライシャンと呼ぶこともある。メキシコ原産といわれるが、自生地は不明という。切花や香水の原料として栽培される。一重咲き品種や八重咲き品種があるが、一重咲きのほうが香りが高い。
- 【園芸】比較的栽培は容易。球根は春、じゅうぶんに地温が上がった頃に植え付ける。日当たりのよいところで育てる。
Sansevieria チトセラン属
熱帯アフリカの乾燥地を中心に、約50種が知られる。
- ボウチトセラン
- Sansevieria cylindrica
- 英名:Snake Plant, Mother-in-Law's Tongue(姑(義母)の舌) 熱帯アフリカ原産。葉が多肉の棒状になり、観賞用に栽培される。
- サンセベリア(アツバチトセラン)
- Sansevieria trifasciata
- 英名:African Bowstring Hemp, Mother-in-Law's Tongue(姑(義母)の舌) 中国名:虎尾蘭
- 熱帯西アフリカ原産。観葉植物としておなじみ。アフリカでは葉から繊維を採るために栽培される。花は夜間芳香を放つ。
- 【管理】越冬には12~15℃が必要だが、乾燥に強く、水を控えれば0℃近い低温にも耐える。冬は室内に入れ、水は与えない方がよい。株分けで繁殖。葉挿しもできるが、斑入り種は基本種に戻ってしまう。
Yucca ユッカ(イトラン)属
アメリカ南部からメキシコ、西インド諸島などの乾燥した地域に約40種知られている。単子葉植物。多くは低木状。自生地では花を油で揚げて食用にされることが多い。【栽培】乾燥に強く、排水と日当たりの良い土地を好む。耐寒性もあり(耐寒温度5℃以上)、関東以西では戸外でもよく育つ。繁殖は挿し木、株分け。
- ユッカの1種 Yucca sp.
- 英名:Yucca Flower 繊維をとるために栽培される。
- 鳥はミチバシリ Geococcyx velox 英名:Greater Roadrunner メキシコ南部から中央アメリカの半砂漠地帯に生息し、朝夕の涼しいときに歩き回って小動物をつかまえる。獲物を追うときは時速20kmをこえる速さで走り、尾や翼をたくみに動かして急カーブをきる。飛ぶことはめったにない。ときには毒ヘビを殺すこともあり、「魔術をつかう冷酷な殺し屋」と呼ばれたりする。