切手植物園(Home) 国名一覧表 科名一覧表 和名一覧表 Country Name Index Family Name Index |
85〜90属約2300種を含む。世界中に分布するが、とくに中央・南アメリカで多様に分化している。ヒルガオ科に近縁。 |
Atropa ベラドンナ属 |
ヨーロッパからインドにかけて2〜4種が分布。属名 Atropa はギリシャ語の Atropos (死の女神)に由来。 |
ベラドンナ(オオカミナスビ)
Atropa belladonna
英名:Belladonna, Deadly Nightshade(死に到るナス)
ヨーロッパ南西部から西アジアの乾燥地帯に分布する多年草。有毒植物であるが、薬草としても栽培される。ヒヨスチアミン
hyoscyamine, アトロピン Atropine などのアルカロイドを含み、鎮痛、鎮痲、催眠薬として利用される。
古くから「悪魔の草」とよばれ、その強い毒性が恐れられた。ベラドンナ(美しい淑女)の名は、イタリア・ルネサンス期に女性がベラドンナの汁を点眼して目を美しく見せたため。成分のアトロピンには瞳孔を拡大する作用がある。またボルジア家が栄えた時代には、毒殺に最も多く使われる草として有名だった。
花言葉は「なんじを呪う」「男への死の贈物」。
1980年 ポーランド | 1976年 アルバニア |
Capsicum トウガラシ属 |
中央・南アメリカに10数種が分布する。熱帯では木本状の多年草になるが温帯では1年草として栽培される。 |
トウガラシ Capsicum annuum 英名:Red Pepper 原産地は熱帯アメリカ。1493年コロンブスによってスペインに導入され、以後世界各地に伝わった。おもに自家受粉で増える。果実は球形から長形、下垂するものから直立するものまで、品種によりさまざま。なお、ピーマンは辛みの少ないトウガラシの品種群で、米国で改良され、明治以降に日本の品種と交雑された。 |
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1993年 エチオピア |
1991年 西サハラ |
Cestrum キチョウジ属 |
常緑低木または小高木。熱帯アメリカに約150種が分布。日本の園芸ではセストラムの名で流通している。 |
ヤコウカ(夜香花) Cestrum nocturnum 英名:Night Jasmine 熱帯アメリカ、西インド諸島原産。高さ約3.5m。花は帯白緑色で夜間芳香を放つ。 夜行性の蛾によって送粉される。温室では春から秋にかけて咲く。 なお、この植物をイエライシャン(夜来香)と呼ぶこともあるが、本来のイエライシャンはガガイモ科の植物(Telosma cordata )。イエライシャン(夜来香)には同名異種が多く、他にもマツヨイグサ(アカバナ科)、ゲッカコウ(月下香 リュウゼツラン科)などをイエライシャンと呼ぶこともある。 |
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1984年 セントビンセント・グレナディーン | 1977年 モントセラト |
Cyphomandra コダチトマト属 |
草本または低木で、50種ほどが南米の熱帯地方に分布する。 |
コダチトマト(タマリロ) Cyphomandra betacea 英名:Tree Tomato, Tamarillo ペルー、ブラジル南部原産。高さ3m以上になる常緑の低木。果肉は橙黄色で多汁、酸味があり、生食できる。また果実を煮て、ジャムの製造、シチューや煮物などに利用する。 |
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1992年 マデイラ |
Datura チョウセンアサガオ属 |
約24種が世界の熱帯、亜熱帯、暖温帯に広くに分布。熱帯アメリカに多い。この属はチョウセンアサガオ節とキダチチョウセンアサガオ節に大きく分けられる。チョウセンアサガオ節は1年草で、花が小型で上向きに咲き、果実に太い刺があり、おもに薬用にされる。キダチチョウセンアサガオ節は多年草あるいは低木で、花が大型で垂れ下がって咲き、果実に刺がなく、おもに園芸的に利用される。この節をキダチチョウセンアサガオ属 Brugmansia として独立させる見解もある。 |
ダツラ・カンディダ Datura candida | |
1985年 グレナダ |
ケチョウセンアサガオ Datura innoxia 英名:Downy Thorn Apple 熱帯アジア原産。全体に軟毛が密生している。8〜9月にかけて直径8〜10cmの花を上向きに咲かせる。果実は直径約5cm。 |
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1980年 ポーランド |
アメリカチョウセンアサガオ Datura meteloides 一般向:Sacred Datura 北米原産の多年生草本。花冠は直径10cmを超える。観賞用に利用される。 |
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1984年 ラオス |
ヨウシュチョウセンアサガオ(洋種朝鮮朝顔) Datura stramonium 一般名(英名):Thorn Apple, Jimson Weed, Stramonium キンヤルワンダ語(ルワンダ):Rwiziringa 熱帯アメリカ原産。高さ約1m。葉は互生または偽対生。花色は淡紫色。花期は夏から秋。果実は広卵形。欧米では薬用として栽培され、中世には毒薬として利用されたという。花色が白色のものをシロバナヨウシュチョウセンアサガオ(白花洋種朝鮮朝顔)というそうですが、右の切手のものがそうでしょうか。 |
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1989年 ルワンダ |
シロバナヨウシュチョウセンアサガオ 1960年 スイス |
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1993年 シスカイ |
シロバナヨウシュチョウセンアサガオ 1959年 ユーゴスラビア |
キダチチョウセンアサガオ Datura suaveolens 英名:Angel's-Trumpet 常緑の低木で、ブラジル中部原産。 |
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1970年 バーミューダ |
Hyoscyamus ヒヨス属 |
1年草または多年草。ヨーロッパ、北アフリカ、アジアに約20種が分布。 |
ヒヨス Hyoscyamus niger 一般名(英名):Common Henbane, Black Henbane 1年草または多年草。ヨーロッパからシベリア、ヒマラヤ、中国にかけて広く分布。高さ約1m。全草に密に腺毛があり、べたつく。花は直径2〜3cm。花期は7月頃。有毒成分ヒヨスチアミン、スコポラミンを含み、アルカロイドの原料植物として世界各地で栽培される。種子(天仙子)は鎮痛、鎮咳、止瀉薬に。 |
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1963年 ユーゴスラビア | 1982年 東ドイツ |
Lycium クコ属 |
ややつる性になる木本植物。温帯を中心に約100種が分布。南北アメリカにとくに多い。 |
リキウム・シャウィー Lycium shawii 英名・通称名:Arabian boxthorn, awsaj アラビア半島の砂漠地帯のワジ(雨季に一時的に水が流れる涸れ川)に分布しているようである。 |
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1991年 カタール |
Lycopersicon トマト属 |
多くは多年草。数種が南米に分布する。トマト属をナス属に含めるべきであるという見解もある。属名はギリシャ語で「オオカミの桃」の意味。 |
トマト(アカナス) Lycopersicon esculentum 英名:Tomato 南米ペルーの海岸地帯の原産。世界各地で栽培され、品種も多い。熱帯では多年草だが温帯では1年草となる。植物全体に特有の臭気がある。 16世紀末にヨーロッパに伝えられたが、最初は食用ではなく、観賞用に栽培された。日本には18世紀始めにオランダ人がもたらしたといわれている。貝原益軒の「大和本草」には「唐ガキ」の名で記されている。 |
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1995年 タンザニア |
Nicotiana タバコ属 |
南・北米大陸、オーストラリア、南太平洋の島々に66種が広く分布。多くはニコチン、アナバシンなどの数種類のアルカロイドを含む。 |
キダチタバコ Nicotiana glauca 英名:Tree Tobacco アルゼンチン、ブラジルに分布する半常緑の木本性植物。原産地では高さが6mにもなることがあるという。花は黄色で観賞用に利用される。 |
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1993年 シスカイ |
タバコ Nicotiana tabacum 英名:Tobacco 烟草(中国名) 南アメリカ原産の多年草。温帯では1年草。高さ2m前後。葉は長さ約60cm。15世紀にコロンブスによりヨーロッパに持ち込まれ、今では世界各地で栽培される。花は栽培時には、ニコチンや香味成分を葉に蓄積させるためにすぐに摘み取られ、目にする機会は少ない。 |
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1991年 西サハラ |
1955年 ユーゴスラビア |
Scopolia ハシリドコロ属 |
ヨーロッパ、ヒマラヤ、東アジアに7種が知られ、すべてが有毒植物であるが、治療薬として用いられるものもある。シーボルトは日本固有種のハシリドコロ S. japonica をベラドンナと誤認して紹介したが、そのことがハシリドコロが近代医学に取り入れられるきっかけとなった。和名は、中毒を起こすと走り回るほどの苦しみを味わうということから。 |
ヨウシュハシリドコロ (セイヨウハシリドコロ) Scopolia carniolica 一般名(英名):European Scopolia, Russian Belladonna |
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1959年 ユーゴスラビア |
Solandra ラッパバナ(ソランドラ)属 |
チョウセンアサガオに似たろうと状の大きな花をつける。半つる性の低木で、熱帯アメリカに約10種が分布。幻覚誘発植物として利用された種もある。 |
ナガラッパバナ(ソランドラ・ロンギフロラ) Solandra longiflora 英名:Chalice Vine 西インド諸島、南米北部原産。高さ30〜60cm。葉柄が赤みを帯びる。花は芳香があり、花冠の長さ約30cm。 1970年 バーミューダ |
ソランドラ・マクシマ Solandra maxima (Syn. S. nitida) 英名:Cap of Gold Vine メキシコ原産。大きなろうと状の花は直径15〜20cmにもなる。 1994年 アイツタキ |
Solanum ナス属 |
世界の熱帯から温帯にかけて広く分布。食用、野菜、薬用、観賞用などいろいろな用途がある。 |
ナス Solanum melongena 一般名:Eggplant 原産はインドとされる(変異種の数が最も多い)。果実を食用とするため熱帯から温帯で広く栽培され、多くの品種がある。果実の色や形もさまざまである。温帯では1年草として扱われるが、熱帯では多年草。日本には奈良時代頃に渡来した。果実を打ち見やねんざに、茎の煎汁を凍傷などに用いる。果実のへたはイボ取りに外用薬としての利用もある。 参考文献:東南アジア市場図鑑 植物篇 図説 花と樹の大事典 野菜・果物 (ヤマケイポケットガイド (21)) |
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1976年 モルディブ |
1961年 チェコスロバキア |
ジャガイモ Solanum tuberosum 別名:バレイショ(馬鈴薯)、ジャガタライモ、オランダイモ、ゴショイモ、ハッショウイモ、エドイモ、ニドイモ、サンドイモ、ナツイモ、コーシューイモ、コーボイモ、キンカイモ 英名:Potato, Irish Potato 中国名:馬鈴薯、陽芋 南米アンデス山脈の高地に分布する野生種どうしの交雑に由来する栽培種。世界でもっとも大量に生産されているイモ。塊茎を食用とする。 1526年にスペイン人によってはじめてヨーロッパにもたらされた。しかし当初はもっぱら観賞用であった。ルイ16世の王妃マリー・アントワネットがジャガイモの花を髪飾りにしたという話は有名。 やせた土地や寒冷地でも栽培できるため、17世紀にはアイルランドにおいて本格的に栽培されるようになり、18世紀には世界中に広まった。 しかし19世紀半ばのアイルランドにおいて、ジャガイモの疫病(立枯病 たちがれびょう)により収穫量が著しく落ち、100万人以上もの餓死者を出す大飢饉が発生した。そしてその後の数年間に100万人近い人びとが祖国を離れ、新大陸アメリカに移住していった。故ケネディ大統領の曾祖父一家もその中に含まれていた。 これは単一耕作(モノカルチャー)の危険性をしめす顕著な一例である。 日本に渡来したのは慶長3年(1598)といわれ、当初は観賞用として栽培されていた。作物として本格的に栽培されるようになったのは、明治に入って北米から優良品種が導入されてからのことである。 和名は「ジャガタライモ」の略。ジャワのジャカトラ港(現在のジャカルタ)からもたらされたからといわれる。また、「馬鈴薯」の名は、塊茎の形が馬につける鈴に似ていることによる。 参考文献:ジャガイモとインカ帝国―文明を生んだ植物 |
ソラヌム・ラキナツム(紫宝華) Solanum laciniatum Syn. S. aviculare 英名:Kangaroo Apple 現地名:Poroporo(マオリ) オーストラリア、ニュージーランドに分布。現地では4mほどの高さになる。オレンジ色から赤色の液果がつき、充分に熟したものは、原住民のアボリジニなどによって食べられたようである。なお、未熟果は有毒である。 英名のカンガルー・アップルは、葉の形がカンガルーの足に似ているからか? |
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1972年 旧ソ連 |
ソラヌム・アドエンセ Solanum adoense 1974年 アファール・イサー |
ソラヌム・アレグニフォリウム Solanum alaegnifolium 1980年 キューバ |
フユサンゴ(タマサンゴ) Solanum pseudocapsicum 英名:Jerusalem Cherry ブラジル原産の常緑低木。日本では草本として扱われる。果実を鑑賞するために栽培される。果実はサクランボ大の球形で、緑色から赤色に変化し、冬まで残る。 |
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1978年 ガーンジー |
Withania ウィザニア属 |
南米、アフリカ、地中海沿岸からインドにかけて約10種が分布。 |
ウィザニア・ソムニフェラ Withania somnifera 高さ1.5mになる常緑低木。アフリカ、地中海地方からインドに分布。インドでは根をアシュワガンダ(Ashwagandha)の名で薬用に利用。 |
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2003年 インド |
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