マオウヒバ属
常緑の低木または高木。オーストラリアとニューカレドニアに十数種が分布。樹脂や材を利用する種がある。
- Callitris articulata
Calocedrus ショウナンボク属
東アジアに2種、北米に1種が分布する。葉形や球果がクロベ Thuja standishii に似る。
- ショウナンボク Calocedrus formosana
- 中国名:台湾肖楠
- 台湾の固有種。北部、中部の山地に自生する。
Chamaecyparis ヒノキ属
東アジアと北アメリカに約6種が分布。いずれも高木で優秀な木材として利用される。属名(Chamaecyparis)は「果実の小さなイトスギ」で、イトスギに比べ球果が小さいことによる。
- ベニヒ(タイワンサワラ) Chamaecyparis formosensis
- 中国名:紅檜
- 樹高60mに達する常緑高木。台湾中央山脈の温帯林の主要構成樹種。サワラに似るが、球果が長楕円形で、果鱗が10~11個あり、外面のくぼみが深いこと、葉の下面がサワラほど白くならず青白色である、などの違いがある。和名・中国名は「紅檜」で、球果や樹皮がヒノキに比べて淡紅色を帯びることによる。近年日本ではヒノキの大木が少なくなったため、その代用品として使われることがあり、東京都の明治神宮の鳥居や奈良の薬師寺の再建にはベニヒが使われている。
- タイワンヒノキ Chamaecyparis obtusa var.formosana (C. taiwanensis)
- 中国名:台湾扁柏
- 台湾の中央山地に分布。ヒノキの変種とされ、ヒノキに比べて鱗片葉の先がとがり、球果もわずかに小さい。
Cupressus イトスギ属 (Cypress)
ヒノキ科の基準属。ヨーロッパ、北米、アジアに約22種が分布する。葉をもむとヒノキ同様強い香りがする。球果の種子は2年がかりで熟す。公園や庭などに広く植栽され、園芸品種も多数。属名は「平等に生じる」の意味で、葉形や枝の出方を表現している。
- イトスギ(ホソイトスギ) Cupressus sempervirens
- 英名:Italian Cypress
- 地中海沿岸地方から中東にかけて分布する高木。樹高50mにも達する。樹形は狭円錐(きょうえんすい)形で独特の景観をつくる。
- イトスギはヨーロッパでは死の象徴で、神話にも多く登場し、また墓場に植えられることも多い。葬儀にはイトスギの小枝で棺が飾られたり、棺そのものがイトスギでつくられたりする。
Juniperus ネズミサシ属
北半球に約10種が知られる。ヒノキ科では珍しく3輪生する針葉のみをもつ。ビャクシン属 Sabina を含めることもある。
- ユニペルス・バルバデンシス Juniperus barbadensis
- セイヨウネズ Juniperus communis
- 一般名(英名):Common Juniper
- 北半球に広く分布。高さ6~7mに達する。球果は蒸留酒のジンの香り付けに使われる。
- ユニペルス・ベルムディアナ Juniperus bermudiana
- 英名:Bermuda cedar, Bermuda juniper
- Juniperus thurifera
- 英名:Spanish Juniper
Widdringtonia ウィッドリングトニア属
南部アフリカに分布。5種が知られる。
- ウィッドリングトニア・ノディフロラ Widdringtonia nodiflora
- 一般名:Mountain Cypress, Mountain Cedar, Bergsipres (Afr.)
- 南部アフリカに分布。高さ5~7m、稀に25mに達する。