Castanea クリ属 (Chestnut)
落葉の高木または低木。北半球の温帯に約10種が広く分布する。
- ヨーロッパグリ Castanea sativa
- 英名:European Chestnut, Sweet Chestnut
- 南ヨーロッパから小アジアの原産。地中海地域の乾燥した気候を好み、栽培もおもにこの地域で盛ん。栽培歴は古代ギリシャ以前からといわれている。日本での栽培は難しい。マロングラッセの原料となる。
Fagus ブナ属
落葉高木。北半球の温帯(主に東アジア)に約10種存在。堅果は食用になる。
- オリエントブナ Fagus orientalis
- 東ヨーロッパから西アジアにかけて分布。
- ヨーロッパブナ Fagus sylvatica
- 英名:Common Beech, European Beech
- ヨーロッパからカフカスに分布。紅葉が美しく、中部ヨーロッパの都市林によくみられる。園芸品種も多い。堅果は食用に、また豚の飼料としても古くから利用され、この実で育った豚は肉質がよいとされる。豊穣にかかわる民間伝承も多く残され、ブナの実が豊作のときは私生児もたくさん生まれるとか、ブナの木のたらいで湯浴みした女の子は長じて男狂いする、などという話もあるという。材は木工、家具、玩具、建築などに利用される。
Quercus コナラ属
世界に約450種あり、主として北半球の温帯から熱帯に分布する。
- イレックスガシ Quercus ilex
- 英名:Holm or Holly Oak
- 高さ25mになる常緑高木。地中海地域原産。果実は食用になる。ヨーロッパでは古くから植栽され、園芸品種もある。材は強靱で、家具や細工物に。
- クエルクス・メステンシス Quercus mestensis
- 1992年 ブルガリア
- クエルクス・トゥラキカ Quercus thracica
- 1992年 ブルガリア
- ホワイトオーク Quercus alba
- 英名:White Oak
- 北米東岸に分布。大きな木では高さ45m、直径1.8mに達する。建築材、器具、家具、土木などの用途に利用される。また、ウイスキー、ブランデー、ワインなどの樽材としても知られる。
- ヨーロッパナラ Quercus robur (Syn. Q. pedunculata)
- 英名:Common oak, Pedunculate Oak, English Oak
- ヨーロッパでもっとも普通にみられるナラ。ヨーロッパからカフカス、小アジア、アフリカ北岸に広く分布。樹高25m以上になる落葉樹。果実は1年で熟し、食用やコーヒーの代用として利用された。葉にできる虫こぶや樹皮はタンニンの原料とされた。巨木となりしばしば落雷に見舞われるため、神の宿る木としてあがめられた。街路樹や公園樹としても好まれる。
- コルクガシ Quercus suber
- 英名:Cork Oak
- 常緑高木。南ヨーロッパから北アフリカにかけての地中海地方に分布。堅果は食用にされ、コーヒーの代用ともなる。