Ajuga キランソウ属
1年草または多年草。旧世界の温帯から暖帯、熱帯の高山に約50種が分布する。日本ではキランソウ、ジュウニヒトエなど、約10種が見られる。ロックガーデンや花壇に利用される種もある。
- Ajuga iva
Hyssopus ヤナギハッカ属
常緑の亜低木で、南ヨーロッパから南西アジアにかけて1種が分布する単型属。
- ヒソップ(ヤナギハッカ) Hyssopus officinalis
- 英名:Hyssop
- 高さ約45cm以上。薬用やリキュール用の精油(Oil of Hyssop)生産のために栽培される。また、開花直前の植物を切り取り乾燥して、きょ痰剤や強壮剤とする。茶やハーブとしても利用され、観賞用に植栽もされる。
Teucrium ニガクサ属 (Germander)
世界の暖温帯地域に約100種が広く分布する。1年草から多年草、または亜低木。
- テウクリウム・ラニゲルム Teucrium lanigerum
Lavandula ラウァンドゥラ(ラバンデュラ)属 (Lavender)
多年草または常緑の半低木。いわゆるラベンダーの仲間。カナリア諸島からヨーロッパ南部、インドに約30種が分布。
- ラウァンドゥラ・キトゥリオドラ Lavandula citriodora
- ラベンダー Lavandula augustifolia (L. spica, L.vera)
- 一般名:True Lavender, Common Lavender
- 地中海沿岸原産の常緑小低木。ヨーロッパではもっとも親しまれているハーブ。香水、石鹸、ポプリなどに利用される。またラベンダー油には抗菌作用があり、火傷、切り傷などにも用いられる。日本には江戸時代に渡来。花言葉は「疑惑」(英)、「私に答えてください」(仏)など。
- フランスラベンダー Lavandula stoechas
Leonotis カエンキセワタ(レオノチス)属 (Lion's Ear)
1年草または多年草。南アフリカに約20種が知られる。花は白または橙色。観賞用に栽培される。
- カエンキセワタ Leonotis leonurus
- 英名:Lion's Tail
- 南アフリカ原産。高さ1~2mになる多年草。花冠は長さ4~5cmで橙赤色。
Origanum ハナハッカ属
多年生の草本または半低木。地中海沿岸から南西アジアにかけて数種が分布。
- マジョラム(スウィートマジョラム、マヨラナ、マヨラン、ハナハッカ) Origanum majorana Syn. Majorana hortensis
- 英名:Sweet Marjoram
- 地中海沿岸からアラビア地域原産の多年草。園芸的には1年草として扱われる。6~8月頃、茎の上部の葉の付け根に小さい紫または白色の花をつける。古代ギリシア・ローマ時代には、神の力が宿った幸せのシンボルとされた。魔よけにも使われ、マヨラナの生えるところは空気が清められ、幸福が訪れると考えられた。ヨーロッパでは最も多く使われるハーブのひとつ。切り傷や歯痛の民間薬としても古くから知られる。また、香水や化粧品用の精油もつくられる。
Mentha ハッカ属
北半球の温帯に約40種が分布。日本には2種が自生する。
- ペパーミント(セイヨウハッカ) Mentha ×piperita
- ミドリハッカ M. spicata とアクアティカハッカ M. aquatica の自然雑種と考えられている。この植物から得られる精油がペパーミント油で、料理、薬用などさまざまに利用される。
Ocimum メボウキ属 (Basil)
1年草から多年草、または亜低木。アフリカ、東南アジアから太平洋諸島に50~60種が分布。
- バジル(メボウキ) Ocimum basilicum
- 英名:Common Basil, Sweet or Garden Basil
- 香辛料やハーブとして知られる1年草。熱帯では多年草になる。熱帯アジア原産と考えられているが、現在では世界各地で栽培され、また野生化もしている。
- カミメボウキ(ホーリーバジル) Ocimum sanctum (Syn. O. tenuiflorum)
- 英名:Holy Basil, Sacred Basil
- 東南アジア、インド原産の多年草。料理、薬、香料などの用途がある。ヒンドゥー教の神聖な植物の一つ。
Orthosiphon ネコノヒゲ属
熱帯アフリカ、インド、東南アジアからマレーシア地域に約15種が分布。
- ネコノヒゲ Orthosiphon aristatus
Perilla シソ属
インドから東アジアに1~2種が分布。
- エゴマ Perilla frutescens var. crispa
- 英名:Perilla
- 中国名:白蘇、荏
- 分類上はシソの変種として扱われる。茎は1~1.7m。種子から荏油(えのゆ) Perilla Oil をとり、食用、工業用に利用する。菜種油が登場するまで灯油としても利用された。また料理用にも使われ、小鳥の飼料ともなる。今日日本ではほとんど利用されなくなった。
Plectranthus ヤマハッカ(プレクトラントゥス、プレクトランサス)属
アフリカ、アジア、オーストラリア、太平洋諸島に分布。200種以上の1年草、多年草、低木からなる大きな属。
- プレクトラントゥス・バルバトゥス Plectranthus barbatus Syn. Coleus barbatus, C. forskohlii, P. forskohlii
- 現地名:Igicunshu(キンヤルワンダ語)
- 中部アフリカに分布。高さ45~60cmの多年草。
Salvia アキギリ(サルビア、サルウィア)属
1年草から低木にいたるまで多様。世界の温帯地域を中心に約700種が分布する大きな属。「Salvia」の語源は、ラテン語で「無病息災」を意味するサルウス「salvus」に由来する。
- サルウィア・コロルコウィー Salvia korolkowii
- サルビア(セージ、ヤクヨウサルビア) Salvia officinalis
- 英名:Sage, True Sage, Garden Sage
- ヨーロッパ南部原産の常緑の多年草。欧米では古くから家庭用ハーブとして栽培されている。以前は扁桃炎や風邪の治療薬としても重要だったが、現在ではハーブとしての利用がほとんど。ソース、カレーの香辛料、ハムや豚肉料理などに使われる。干した葉は茶のようにして飲む習慣もある。中世ヨーロッパではセージが防腐、増血の効果をもつとされ、騎士たちは戦場で負傷してもこの煎汁を飲めば手足を切断されずにすむと信じた。古代ローマ軍がイギリスに渡った際にも、この種(たね)をまきながら行軍したらしく、セージの茂る道はローマ兵の通過を示すといわれる。
- クラリーセージ(オニサルビア、クレアリー、マスカテルセージ) Salvia sclarea
- 英名:Clary Sage, Clary Wort
- ヨーロッパ南部から南西アジアにかけて分布。セージと同じように、精油、薬用、薬用酒やリキュール製造にもちいる。果実は水につけると粘液を出し、腫瘍や癌に用いた。
- サルウィア・セロティナ(サルビア・セロティナ) Salvia serotina
Scutellaria タツナミソウ属
草本または半低木で、約200種が世界に広く分布。観賞用や薬用に利用される。
- タツナミソウの1種 Scutellaria sibthorpii
Tetradenia テトラデニア属
落葉性または半落葉性の低木。アフリカ南部とマダガスカル島に5種が分布。花は甘い香りがする。
- テトラデニア・リパリア(フブキバナ) Tetradenia riparia (Syn. Iboza riparia)
- 英名:Misty Plume Bush, Ginger Bush
- 現地名:Umuravumba(キンヤルワンダ語)
- 南~中部アフリカ原産の低木。葉はベルベット状の毛に覆われる。冬から早春にかけて、芳香性のある淡紫色の小花を多数つける。雌雄異株。
Thymus イブキジャコウソウ属
矮小な低木。ユーラシア、アフリカなどに約35種が分布する。いくつかの種は「タイム」の名で知られ、ハーブとして利用される。
- Thymus fontanesii
- ティムス・ロンギフロルス Thymus longiflorus
- ティムス・プラエコクス Thymus praecox
- 一般名:Creeping Thyme, Mother of Thyme