Apollonias アポロニアス属
- アポロニアス・バルブヤナ Apollonias barbujana(A. canariensis)
- カナリア諸島、マデイラに分布。高さ30mに達する常緑樹。
Cassytha スナヅル属
世界の熱帯から亜熱帯に約20種が分布。クスノキ科では珍しいつる性の寄生植物。
- スナヅル Cassytha filiformis
- 世界の熱帯、亜熱帯の海岸地域で見られるが、日本では屋久島以南と小笠原諸島に分布。葉は退化して鱗片状。吸着根を出して他の植物に寄生するが、葉緑素もあり光合成もおこなう。花は淡黄色で直径2~3mm。熱帯では通年開花する。果実は球形で直径約7mm。
Cinnamomum クスノキ属
アジアの熱帯、暖帯とオーストラリア北部に約250種が分布。芳香性の精油成分を有し、スパイス、薬用など様々な用途に用いられる。
- クスノキ(印面はクスノハナ) Cinnamomum camphora
- 英名:Camphor Tree
- 常緑高木。本州の関東以西、台湾、中国南部、インドシナに自生。丈夫で育てやすいので、街路樹、公園樹などによく利用される。巨樹になることが多く、「加茂の大クス」(徳島県三加茂市)、「立花山クスノキ原始林」(福岡県)、「蒲生の大グス」(幹周り24m超 鹿児島県)など、特別天然記念物に指定されているものもある。葉は卵形で互生、革質で光沢がある。5月頃、葉腋に白黄色の花をつけ、11月頃、暗紫色の果実を結ぶ。樹木全体に樟脳を含み、芳香がある。材は比重軽く、加工しやすい。樟脳を含むため、耐久性、耐虫害性もきわめて高く、建築材、家具、仏像などに広く用いられる。兵庫、佐賀、熊本の県木。また佐賀県の県花。
- セイロンニッケイ Cinnamomum verum (Syn. C. zeylanicum)
- 英名:Cinnamon, Ceylon Cinnamon
- 熱帯各地で栽培される常緑小高木。高さ約10m。葉は長さ15~20cm。3本の太い葉脈が特徴的。樹皮を乾燥させたものをシナモンといい、コショウ、チョウジとともに三大スパイスのひとつ(ナツメグを加えて四大スパイスとも)とされる。主産地はスリランカ、セーシェル諸島。
- なお、広義の「シナモン」には、トンキンニッケイ C. cassia 、キンナモムム・ブルマンニイ C. burmannii 、キンナモムム・ロウレイリイ C.loureirii などの樹種からつくられるものも含まれ、中でもトンキンニッケイからつくられるカッシアシナモンは、現在使われているシナモンパウダーのほぼ100%を占めるという(この項、吉田よし子著/東南アジア市場図鑑 植物篇)。ちなみに、日本で八つ橋やニッキ水として使われるのはニッケイ C.sieboldii の根皮(こんぴ)。
Laurus ゲッケイジュ属
常緑の低木または小高木。地中海沿岸とカナリア諸島にそれぞれ1種が分布する。
- ゲッケイジュ(月桂樹) 別名:ローリエ、ローレル Laurus nobilis
- 英名:Bay Laurel、Bay Tree、Sweetbay
- 雌雄異株の常緑樹。地中海沿岸および西アジア原産。高さ10mほどになる。花被は4深裂。雄しべは8~14本。葉は互生し、革質で先のとがった長楕円形、フチが波打つ。葉にシネオール、ユージノール、ジェラニオールなどの精油成分を含み、特有の芳香があり料理などの香りつけに利用される。果実は長さ1~1.5cmの楕円状の液果で、秋に黒紫色に熟し、こちらも芳香がある。
- 古代ギリシャ時代から神聖な木とされ、現在でも競技の勝利者などにゲッケイジュの枝葉で編んだ冠「月桂冠」を授ける習慣が残っている。属名はケルト語由来のラテン語で「緑色の」の意。種小名は「気品のある」の意。花言葉は「栄光、勝利」。日本へは1905年頃フランスより渡来し、日露戦争の記念樹として植えられ有名になった。日本では雌株は比較的少ない。
- 【管理】繁殖は実生、株分け、挿し木。日当たりのよい場所でよく育つが、寒冷地では幼樹は防寒が必要。庭園樹、記念樹、鉢植えなどとして利用されることが多い。
Persea アボカド属
熱帯アメリカを中心に約50種が分布。
- アボカド(ワニナシ) Persea americana
- 英名:Avocado, Alligator Pear, Butter Fruit
- 中国名:油梨
- 高さ25mになる常緑高木。南米原産。現在では熱帯各地で栽培される。ワニナシの名は果皮がワニ皮に似るから。果肉は脂肪に富み、タンパク質、ビタミン類を多く含むが、糖分は少ない。ワサビ醤油によく合うため、寿司ネタに用いられることも多い。