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アカネ科 Rubiaceae

 約500属6000種が熱帯を中心に分布。多くは低木で、一部に高木や草本になるものもある。

 Cinchona キナ属 
 常緑の低木または高木。南米のアンデス山脈に約40種が分布。そのうち数種がキナとして薬用に利用される。樹皮をキナ皮とよび、それから得られたキニーネはマラリアの特効薬として知られている。属名の Cinchona は、スペインのペルー総督チンチョン(Chinchon)伯爵夫人にちなむ。彼女はマラリアにかかったが、キナ皮を服用して全快した。
キナノキの1種 Cinchona cordifolia キナノキの1種 Cinchona lanceifolia キナノキの1種 Cinchona ovalifolia
キナノキの1種
Cinchona cordifolia
英名:Cartagena bark,
Colombian tree
1983年 コロンビア
キナノキの1種
Cinchona lanceifolia
1983年 コロンビア
キナノキの1種
Cinchona ovalifolia
1983年 コロンビア

Cinchona officinalis キンコナ・オッフィキナリス
Cinchona officinalis
 コロンビアからペルー北部に分布。各地で栽培される。
1990年 国連ジュネーブ本部

■参考映像:科学映像館というサイトの中の「暮らしに役立つ熱帯植物2-2」(制作:海洋博覧会記念公園事務所)という記録映画の中に、インドネシア、バンドン郊外で栽培されているアカキナノキ(キナ属のうちもっとも有名な種)を例に、伐採から樹皮の剥離、天日乾燥などの一連の作業の様子が紹介されています(複数の作品が一本にまとめられていますが、そのうちの1本目「C-16 人々を救った植物・キニーネ」)。約2トンの樹皮からとれる硫酸キニーネは150gほどだとか。

 Coffea コーヒーノキ属 
 常緑の低木または小高木。アジアとアフリカの熱帯に約40種が分布。
アラビアコーヒーノキ
Coffea arabica
英名:Common Coffee, Arabian Coffee
 エチオピアのアビシニア高原の原産。常緑低木で、高さ3〜4.5m。熱帯では周年開花する。花は白色でクチナシの花のような強い芳香がある。果実は球形または楕円形で、チェリー・ビーンとよばれる。果実の中には通常2個の種子がある。種子は半球状で、平らな面に1本の深い溝があり、平豆(フラット・ビーン)とよばれ、これがコーヒー豆となる。
 味、香りとも優れ、コーヒー生産の90パーセントを占める。
 コーヒー豆の製造法には、果実を乾燥し、果肉と外皮を除く乾式と、水につけて発酵させて果肉を除いたのち、乾燥させて外皮をとる湿式とがあり、高級品は湿式によるのが普通。また、ジャコウネコに食べさせて果肉を取り除くという特殊な方法もあるという。
 原産地では、早くから野生のものを利用していたが、6世紀頃アラビアに伝わって栽培化された。ヨーロッパには15世紀以降に伝わり、17世紀にはロンドンやパリで一大ブームとなる。
アラビアコーヒーノキ Coffea arabica
1981年 ドミニカ国
アラビアコーヒーノキ Coffea arabica
1981年 サントメ・プリンシペ
Coffea arabica
1960年 インドネシア

コーヒー産業(1988年 ベンダ

picking weighing
果実の摘みとり 計量
sun drying roasting
天日乾燥 焙煎

 Exostema エクソステマ属 
Exostema sanctae-luciae エクソステマ・サンクタエ・ルキアエ
Exostema sanctae-luciae
1990年 セントルシア


 Gardenia クチナシ属 
 アジアとアフリカの主に熱帯地域に約250種が分布。多くの有用植物がある。染料、薬用としての利用のほかに、黒色の化粧品(アフリカ)、魚毒、道具類の柄などに利用される。属名は米国の医師で植物学者のガーデン(Alexander Garden 1730-91)を記念したもの。
Gardenia aubryi Gardenia urvillei
ガーデニア・アウブライ
Gardenia aubryi
 ニューカレドニア島固有種。
1990年 ニューカレドニア
ガーデニア・ウルウィレイ
Gardenia urvillei
 ニューカレドニア島固有種。
2004年 ニューカレドニア

Gardenia spatulifolia ガーデニア・スパトゥリフォリア
Gardenia spatulifolia
1983年 ベンダ

タヒチニアン・ガーデニア(ティアレ、ティアレ・タヒチ)
Gardenia taitensis
英名:Tahitian Gardenia, Tiare Tahiti
 ソサエティ諸島原産。高さ1.5〜6mの低木。花は甘い香りを放ち、レイなどに利用される。コスメティックオイルなどにもよく利用される。
タヒチニアン・ガーデニア Gardenia taitensis
1994年 アイツタキ
タヒチニアン・ガーデニア Gardenia taitensis
1978年 ツバル
タヒチアン・ガーデニア
1975年 サモア


 Genipa ゲニパ属 
 常緑の低木または高木。熱帯アメリカから西インド諸島に数種が分布。
Genipa americana ゲニパ・アメリカナ
Genipa americana
Genipa, Genip, Marmalade Box
 高さ20mになることもある常緑高木。ガイアナ原産とされる。果実は直径3〜4cmで酸味と芳香に富み、清涼飲料(Genipapado)にされる。また発酵酒ゲニパドの原料にもなる。材も利用される。
1984年 セントビンセント


 Guettarda ハテルマギリ属 
 世界の熱帯地域の海岸に約60種が分布。中央・南アメリカに多い。
ハテルマギリ
Guettarda speciosa
 熱帯の海岸地域に生える常緑高木。高さ約10m。和名の「ハテルマ」は八重山列島の波照間島に由来。葉は長さ10〜30cmにもなる。花は白色または淡黄色。果実は直径2〜3cmの偏球(へんきゅう)状で、水に浮き海流にのって散布される。
ハテルマギリ Guettarda speciosa
1985年 マーシャル諸島
Guettarda speciosa
2000年 ピトケアン島


 Hamelia ハメリア属
ハメリア・パテンス Hamelia patens ハメリア・パテンス
Hamelia patens
英名:Firebush, Scarlet Bush, Hummingbird Bush
フロリダ、西インド諸島などが原産の常緑低木。ハチドリ、蝶などが訪花する。
1980年 キューバ


 Hutchinsonia フッチンソニア属 
Hutchinsonia barbata フッチンソニア・バルバタ
Hutchinsonia barbata
1988年 コートジボワール


 Ixora サンタンカ属 
 常緑の低木または高木。世界の熱帯に300〜400種が分布。

イクソラ・マクロティルサ Ixora macrothyrsa

サンタンカの1種 Ixora macrothyrsa Ixora macrothyrsa
1981年 ドミニカ国 1985年 グレナダ

Captaincoockia margaretae Ixora cauliflora
イクソラ・マルガレタエ
Ixora margaretae
(印面はCaptaincoockia margaretae
ニューカレドニア島固有種。絶滅危惧種。
1996年 ニューカレドニア
イクソラ・カウリフロラ
Ixora cauliflora
1996年 ニューカレドニア


 Luculia ルクリア属 
 落葉の低木または小高木。ヒマラヤから中国にかけて数種が分布。冬期に開花。花木としての利用がある。

Luculia gratissima ルクリア・グラティッシマ
Luculia gratissima
 半耐寒性の常緑小高木。ヒマラヤの1200〜1800mの高地に分布する。香りのよいピンク色の花を冬期に開き、鉢物などに利用される。
1997年 ネパール


 Morinda ヤエヤマアオキ属 
 常緑の低木または高木。まれにつる性。世界の熱帯に約80種が知られる。根を染料として利用する種もある。
ヤエヤマアオキ
Morinda citrifolia
英名:Indian Mulberry, Cheesefruit, Koonjerung, Tokoonja, Great Morinda
 小笠原諸島、琉球諸島、台湾、中国、東南アジア、インド、オーストラリア、太平洋諸島の海岸のマングローブに育つ。たくさんの液果が合着して直径約4cmの複合果をつくる。表面のイボは萼片の落下した跡。果実の内部は空洞で水に浮き、海流によって種子散布される。
 若い果実にはワサビのような辛さがあり、タイ東北部では若い果実を唐辛子の代りに使う。熟した果実は腐ったような臭いがあり、あまり利用されていなかったが、薬用効果が注目され、最近では「ノニジュース」の名前で利用されている。またインドネシアでは果実を Pace とよび、マラリア、高血圧、糖尿などに用いる。
 葉は大きく毛がないため、食物を包むのに使う。樹皮や根はインドネシアバティック(ジャワ更紗)の染料として用いられる。またタイやマレーシアでは野菜として用いる。
 日本の園芸でも、「ノニの木」などの名前で流通しているようである。
ヤエヤマアオキ Morinda citrifolia
1988年 ココス諸島
Morinda citrifolia
2002年 インドネシア

モリンダ・ロヨク Morinda royoc モリンダ・ロヨク
Morinda royoc
英名:Yellowroot, Redgal, Mouse's pineapple
フロリダ,西インド諸島, 中央アメリカ, 南アメリカ北部原産。
1980年 キューバ


 Mussaenda コンロンカ(ムッサエンダ)属 
 アジア、太平洋諸島、アフリカの熱帯・亜熱帯地域に約200種が分布する。外側の花弁状のものは萼裂片。
ムッサエンダ・エレガンス Mussaenda elegans ムッサエンダ・エレガンス
Mussaenda elegans
 西アフリカ原産。
1977年 ガンビア

以下の6点は、フィリピン、ニューギニア原産のムッサエンダ・フィリッピカ Mussaenda philippica の園芸品種群。フィリピンで改良された。

Mussaenda philippica ‘Dona Esperanza’ Mussaenda philippica ‘Dona Hilaria’
Mussaenda philippica ‘Dona Esperanza’
1979年 フィリピン
Mussaenda philippica ‘Dona Hilaria’
1979年 フィリピン
Mussaenda philippica ‘Dona aurora’ Mussaenda philippica ‘Gining Imelda’
Mussaenda philippica ‘Dona aurora’
1979年 フィリピン
Mussaenda philippica ‘Gining Imelda’
1979年 フィリピン
Mussaenda philippica ‘Dona Trining’ Mussaenda philippica ‘Dona Evangelina’
Mussaenda philippica ‘Dona Trining’
1979年 フィリピン
Mussaenda philippica ‘Dona Evangelina’
1979年 フィリピン


 Nertera コケサンゴ属 
 小型の匍匐する多年生の草本。マレーシアや太平洋諸島の高地、南半球の高冷地に数種が分布。
コケサンゴ Nertera granadensis コケサンゴ
Nertera granadensis
Syn. N. depressa
英名:Bead Plant
コケのように地表を覆う。葉はやや多肉質。果実の直径は5〜6mm。南アメリカ、ニュージーランド、タスマニア島などに分布。
1972年 トリスタン・ダ・クーニャ


 Pavetta キダチハナカンザシ属 
 常緑の低木または小高木。熱帯地域に約100種が広く分布。サンタンカ属 Ixora に近縁。
パウェッタ・テルニフォリア Pavetta ternifolia パウェッタ・テルニフォリア
Pavetta ternifolia
現地名:Umumena-Mabuye(キンヤルワンダ語)
 中部アフリカに分布。
1989年 ルワンダ


 Randia ランディア(ミサオノキ)属 
 世界の熱帯、姉帯地域に200〜300種が分布。常緑や落葉、低木から高木、つる状と形態的にも多様なため分類がむずかしいという。
 属名は英国のランド Isaac Rand (?-1743)※ への献名。和名のミサオノキとは牧野富太郎の命名で「岩の間に生えても常に青々として色が変わらないので、操(みさお)の堅固なことに例えた」という。
 ※ Isaac Rand:18世紀ロンドンのチェルシー薬草園Chelsea Physic Garden)で薬剤師をつとめた。
ランディア・マクラタ Randia maculata ランディア・マクラタ
Randia maculata
 ミサオノキの1種。
1963年 シエラレオネ


 Vangueria ヴァングエリア属 
Vangueria infausta ヴァングエリア・インファウスタ
Vangueria infausta
一般名:Wild Medlar
2000年 ジンバブウェ



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