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熱帯や温暖な地域を中心に約50属1200種が広く分布。高木から草本まで多様な生活形をもつ。
Artocarpus パンノキ属 |
インドマレーシア地域に約50種が知られる。多くは常緑の高木からなる。果物としての利用価値が高いものが多い。 |
パンノキ Artocarpus altilis Syn. A. communis 英名:Breadfruit(種なし), Breadnut(種あり) 原産地不明。高さ30mに達する常緑高木。雌雄同株で、花は単性。雄花は多数集まって約長さ30cmの棍棒状になり、雌花は球形の集合花序を形成する。栽培品種には種ありの2倍体の品種群と、種なしの3倍体の品種群がある。 3倍体のものは、果肉に多量のデンプンを含み、火を通すとホクホクのジャガイモのようになるという。ミクロネシアやポリネシアでは広く主食にされる。2倍体品種は、マレー半島やインドネシアに多く、未熟果を野菜として利用したり、熟果の種子(Breadnut)を煮たり炒ったりして食用にする。 18世紀、奴隷の食料として西インド諸島への導入が計画されたが、その過程で起きた「バウンティ号の反乱事件(下記参照)」は有名。 |
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1981年 ドミニカ国 |
1983年 サモア |
1959年 フランス領ポリネシア |
1981年 サントメ・プリンシペ |
1987年 モルジブ |
1991年 西サハラ |
【バウンティ号反乱事件】 18世紀、イギリスの植民地であった西インド諸島ジャマイカでは、砂糖プランテーションで働く奴隷のための食料が不足していた。そこで英国キュー植物園の園長であったバンクス(1743-1820 ▼下記切手参照)は南太平洋諸島のパンノキを導入する計画を立てた。そして1787年12月23日、その任を負ったブライ船長率いるバウンティ号は、プラントハンターのデイヴィッド・ネルソンらを乗せて、南イングランドのスピセッドを出航。10ヶ月後の1788年10月26日、タヒチに到着した。そこで彼らはパンノキの種子を採集し、苗木に育つまでのあいだ、約6ヶ月間を島で過ごした。そこはまさに楽園であった。 そして1789年4月4日、パンノキやその他の有用植物など、約800個の植木鉢、木桶などを積み込みバウンティ号は出航した。 船がトンガ諸島にさしかかった4月28日事件は起こった。船員のひとりが、パンノキ用として船内に保管してあった水を見つけたことから、日頃の節水と食糧不足への不満が爆発、タヒチ島での規律のゆるみなどもあり、ついに反乱が起こった。クリスチャンを首領とする反乱者たちは、パンノキの植木鉢など積荷を次々と海中へ投棄したうえ、ブライ船長、ネルソンら18人を小舟に移し、バウンティ号を乗っ取ったのである。 反乱者たちを乗せたバウンティ号はいったんタヒチへ戻ったが、そのうち首謀者のクリスチャンらは、タヒチ島の若い男女たちを船に乗せてピトケアン島へ渡った。島には現在でもその子孫たちが住んでいる。また一味のうちタヒチ島に残ったものたちは、1791年パンドーラ号のエドワーズによって捕らえられた。 一方、小舟に置き去りにされたブライ船長らは、1790年3月14日イギリスに帰還したが、一行のうちプラントハンターのネルソンは、漂流による熱病などが原因で、帰還途上のティモール島で息を引きとった。 ブライは1792年、プロビデンス号を率いて再びタヒチに赴き、パンノキなど1200本の有用植物を積み込み、そのうち153本のパンノキを西インド諸島のセントビンセント島、ジャマイカ島に移植することに成功した。 しかし皮肉にも西インド諸島では、あるフランス人によりタネパンノキ(2倍体品種)が導入、栽培されていたうえ、バナナの栽培も盛んで、この計画はそれほどの成果をあげるに至らなかった。 〜以上『図説 熱帯の果樹』岩佐俊吉/養賢堂 その他より要約〜 その他プラントハンターに関する参考文献:プラントハンター―ヨーロッパの植物熱と日本 (講談社選書メチエ)
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パラミツ(ジャックフルーツ) Artocarpus heterophyllus Syn. A. nanca, A. maxima, A. integrifolia, A. integra 英名:Jackfruit, Jack マレー名:Nangka 中国名:波羅蜜 南インド原産。高さ20m以上にもなる常緑高木。果実は大型で40kgに達するものもあり、木になる果実としては世界最大といわれている。果肉は黄色で、甘くパイナップルに似るが、むっとするような独特の臭気があるという。また未熟な果実は野菜や主食として利用される。大きな種子はクリのような味で、カレー料理などに用いられる。材からとれる染料は、タイやラオスで僧侶の衣を染めるのに使われる。 |
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1990年 バングラデシュ |
Ficus イチジク属 |
熱帯を中心に900種近くが知られている大きな植物群。常緑や落葉の高木、つる植物、低木や着生植物など変化に富んだ生活型を持つ。植物体を傷つけると白い乳液が出る。枝には托葉の落ちたあとが顕著。 海外ではイチジク属の植物で盆栽がさかんにつくられているようである。 |
ベンガルボダイジュ(バンヤンジュ、バニヤン) Ficus benghalensis (F. bengalensis と綴る資料も多い) 一般名:Banyan, Vada Tree インド原産の常緑高木。他の樹木に着生した幼木は、やがて多数の気根を垂らし、宿主の樹木を絞め殺し(絞め殺し植物=ストラングラー・ツリー)、地面に達した気根は地中に根を張り、肥大成長して枝を支える。このようにして樹冠はどんどん横に広がっていき、ついには1本の木がまるでひとつの森のようになる。カルコタ(カルカッタ)植物園のものは有名で、樹冠の直径が130mにもなっているという。インドでは神聖な木とされる。世界各地の熱帯、亜熱帯で緑陰樹として利用されている。果実はイチジク状で、雨季から秋に熟し、食用になる。 |
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1998年 バーミューダ |
フィクス・カペンシス Ficus capensis 一般名(Common Names):Wild Fig |
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1989年 ザンビア |
インドゴムノキ Ficus elastica 英名:Indian or Assam Rubber Tree 中国名:印度膠樹 ヒマラヤ東部からジャワ島にかけて分布する常緑高木。熱帯では高さ30mを超える。葉は厚く光沢があり、長さ約30cmの楕円形で先がとがる。 かつては生ゴムを採種するためにマレー半島などで栽培されていたが、より品質のよいパラゴムノキ(トウダイグサ科)が利用されるようになり、生ゴム採種のための栽培は消滅した。現在では観葉植物としての利用が多く、園芸品種も多い。ジャワでは若芽を食用にする。日本には明治末期に渡来。観賞用に普及した。 |
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1980年 コートジボアール |
フィクス・インゲンス Ficus ingens 英名:Red-leaved Rock Fig 落葉または半落葉性。他の植物にからみついて絞め殺す、いわゆる絞め殺し植物。果実や葉は食用にされる。樹皮にタンニンを含む。 |
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1982年 ベンダ |
ガジュマル Ficus microcarpa 英名:Chinese Banyan 中国名:榕樹 屋久島以南の東アジア、東南アジアに分布。高さ20mに達するものもある。支柱根で支えられながら広がり、巨大な樹冠を形成する。葉は肉質で光沢があり、倒卵形から超楕円形で互生する。世界中の熱帯地域で防風、防潮樹として用いられている。 いわゆる絞め殺し植物で、和名は「絡まる」の意味の沖縄方言から転訛したとされる。ガジュマルコバチによって花粉が媒介され、果実は甘く食べられる。 |
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1991年 クリスマス島 |
2004年 ベトナム |
フィクス・ナタレンシス Ficus natalensis 英名:Natal fig | |
1989年 トランスカイ |
現地名:Mgandi 1986年 ケニア |
フィクス・ピロサ Ficus pilosa |
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2004年 ベトナム |
インドボダイジュ Ficus religiosa 英名:Bo tree, Peepal, Pipal インドから東南アジアにかけて広く分布。葉の先端が長く伸びるのが特徴。「絞め殺し植物」のひとつ。釈迦がこの木の下で悟りを開いたとされることから、仏教三大聖樹のひとつとされ、木の下にはよく石像や祠がまつられている。 ■写真:インドボダイジュの葉(京都府立植物園 2006年5月1日) |
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2004年 ベトナム |
フィクス・スル Ficus sur 英名:Broom cluster fig |
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1989年 トランスカイ |
エジプトイチジク(イチジクグワ) Ficus sycomorus 英名:Sycamore, Sycamore Fig, Mulberry Fig 落葉小高木。アフリカ北東部からアラビア半島に分布。イチジクに似る。 果実は食用にされるがイチジクよりは劣るという。 |
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1976年 ザンビア |
2000年 ナミビア |
イチジク属の1種 Ficus sp. |
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1974年 アファール・イサー |
Treculia トレクリア属 |
熱帯アフリカに分布する小さな属。 |
トレクリア・アフリカナ Treculia africana 英名:African Breadfruit, Okwa-Tree 西アフリカに分布する常緑高木。果実の直径は20〜30cm。果実の中に多数の種子があり、炒ったりスープに入れたりして食べる。 |
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2001年 ナイジェリア |
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