Platymiscium プラティミスキウム属
- プラティミスキウムの1種 Platymiscium sp.
Pterocarpus プテロカルプス属
常緑または落葉の高木、またはつる性木本。豆果は扁平で円形。周囲を波打った翼(よく)が取り囲み、属名はこの形状にちなむ(プテロ=翼、カルプス=果実)。インドシタン P. indicus など家具材として重要な種を含むが、日本で一般にシタン(紫檀)とよぶものは、同じマメ科のヒルギカズラ属のもので、ローズウッドと呼ばれるものである。本属のインドシタンは木材の分野では花櫚(カリン)とよばれている。
- プテロカルプス・アンゴレンシス Pterocarpus angolensis
- 英名:Kiaat, African teak
- 扁平で円形の豆果は剛毛に覆われ、周囲を波打った翼(よく)が取り囲む。この翼が、落下の際ある程度遠くへ種子を運ぶ役を担っているのだろうか。海外のサイトには、地面に落ちたあとも風で転がって分布をひろげると書いてあるところもある。樹液は赤く、皮膚病、鎮咳などに利用される。
- プテロカルプス・ロトゥンディフォリウス Pterocarpus rotundifolius
- 英名:round-leaved bloodwood
- アフリカ南部に分布する落葉樹。高さ約10m。蜜源植物として利用されている。種小名は「円形の葉」の意。
Sabinea サビネア属
- サビネア・カリナリス Sabinea carinalis
- 一般名:Carib Wood, Bois Caraibe
- ドミニカ国の国花(1978年制定)。ちなみにドミニカ共和国の国花はマホガニー。
Sesbania セスバニア(ツノクサネム)属
常緑の低木または草本。世界の熱帯夜温暖な地域に約50種が分布する。
- セスバニア・プニケア Sesbania punicea
Spartium レダマ属
カナリア諸島と地中海沿岸に、レダマ1種のみが分布する単型属。エニシダに似た低木。
- レダマ Spartium junceum Syn. Genista juncea
- 高さ約3m。枝は緑色で無毛。小さい葉はまばらにつき、目立たない。芳香のある黄色の花を7~9月に咲かせる。日本には江戸時代初期には渡来していたとされ、水野元勝の『花壇綱目』、貝原益軒の『大和本草』などに記述がある。
- 和名はスペイン、北アフリカに自生する別属のマメ科植物レタマ・モノスペルマ Retama monosperma に由来するという。
Streblorrhiza ストレブロリザ属
- ストレブロリザ・スペキオサ Streblorrhiza speciosa
Sutherlandia ステルランディア属
南アフリカを中心に約6種がある。
- ステルランディア・フルテスケンス Sutherlandia frutescens
- 英名:Cancer Bush
- 南アフリカに野生する低木。英名にもキャンサー・ブッシュとあるように、近年この植物に抗癌作用があるとかで注目されているようである。
タウェルニエラ属
- タウェルニエラ・グラブラ Taverniera glabra
- ソマリア、イラン、パキスタン、インド、中東に分布する。
Tephrosia ナンバンクサフジ属
多年草または1年草。世界の熱帯から亜熱帯に約300種が分布。葉は奇数羽状複葉。花は総状花序あるいは偽総状花序につく。果実は線形で裂開する。
- テフロシア・アポリネア Tephrosia apollinea
Trifolium シャジクソウ(クローバー)属
世界の温帯から亜熱帯に約250種が分布。1年草または多年草。
- アカツメクサ(ムラサキツメクサ、アカクローバー)
- Trifolium pratense
- 英名:Red Clover, Pea Vine Clover, Cow Clover
- 牧草として世界各地で栽培される。日本へは、江戸時代にオランダ船の積み荷の緩衝材として詰め込まれていたものが逸出し、ひろまったといわれている。「ツメクサ」の和名もこれにちなむ。
- ヨーロッパでは3小葉が、キリスト教の三位一体のシンボルとされ、とくに「四つ葉のクローバー」は十字架に見立てられ、お守りとして大切にされた。またこれらの言い伝えは、もともとカタバミ Oxalis のもので、それが同じ三つ葉のクローバーに移行したという見解もある。種小名は「草原生の」の意味。なお、 シロツメクサ T. repens とは別種である。
- 1982年 アメリカ切手の鳥はチャイロコツグミ Catharus guttatus 英名:Hermit Thrush
- シロツメクサ Trifolium repens
- White Clover, Dutch Clover, Shamrock
- ヨーロッパ原産の多年草。茎が地上を這う。花は白色で淡紅色を帯びるものもある。現在日本にもっとも広く帰化しているクローバー。
Ulex ハリエニシダ属
ヨーロッパ西部、北アフリカに約20種が分布。エニシダ属に近縁な低木。鋭いとげがある。
- ハリエニシダ Ulex europaeus
- 英名:Common Gorse
- 西ヨーロッパからイタリアに分布。高さ0.6~2m。葉はとげ状になり、幼葉には3小葉がある。種子はアリによって散布される。観賞用、飼料、緑肥用に栽培された。IUCN(国際自然保護連合 ※リンク先は日本委員会)の「世界の外来侵入種ワースト100」のひとつに指定されている。
Vicia ソラマメ属 (Vetch)
1年草または多年草。多くは巻きひげを有するつる草。北半球の温帯を中心に約150種が分布。属名は「巻きつく」の意のラテン語「vincire」からつけられたという。
- クサフジ Vicia cracca
- 英名:Gerard Vetch, Cow Vetch, Blue Vetch
- つる性の多年草。北半球の温帯から亜寒帯に広く分布。日本でも全国各地の草地や林縁によくみられる。花はふつう青紫色だが、白色のものもある。飼料や緑肥としても利用される。
Vigna ササゲ属
旧熱帯を中心とする熱帯に約150種が分布する。
- ササゲ Vigna unguiculata (V. sinensis)
- 西・中央アフリカを原産とする1年草で、多くの品種がある。日本には中国から9世紀以前に伝わった。若い莢や熟した豆を食用とする。
- ハマアズキ(ハマササゲ) Vigna marina
- 海岸の砂浜を這う、つる性の多年草。花は黄色。種子は海流によって散布され、世界の温暖な地域に広く分布する。日本では小笠原諸島や屋久島以南でみられる。
- パラオ切手の蝶はPrecis villida(Backeye)
Wisteria フジ属
東アジアと北アメリカの温帯に分布するつる性木本植物。葉は奇数羽状複葉。花は下垂する総状花序。属名は米国ペンシルバニア大学の解剖学者ウィスター(C.Wistar,1761~1818)を記念してつけられた。
- フジ(ノダフジ) Wisteria floribunda
- 英名:Japanese Wisteria
- 日本の本州、四国、九州に自生する落葉つる性木本。日本の固有種。別名の「ノダフジ=野田藤」は、かつて摂津の野田村(大阪市福島区玉川2丁目周辺)がフジの名所だったことに由来する。ちなみに福島区の花はノダフジとなっている。つるはきわめて丈夫で、籠や家具などがつくられた。またつるから採った繊維は藤布(ふじぬの)とよばれ、かつては衣服などに利用された。
- なお同じ日本固有種としてヤマフジ W. brachybotrys があるが、つるの巻き方が逆なので区別できる(下記「右巻きと左巻き」参照)。
- シナフジ Wisteria sinensis
- 英名:Chinese Wisteria 中国名:藤、紫藤
- 中国原産。花の直径は2.5cmでフジよりやや大きく、花序あたりの花の数も50を超える。
【右巻きと左巻き】
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