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バラ科 Rosaceae

南極を除いたすべての大陸に、約100属3000種が分布する大きな科。

 Acaena アカエナ属
 南半球に約100種が知られている。種差が小さく、分類がむずかしい。背が低く、群生する多年草。茎の下部からストロンを出して繁殖。葉は羽状複葉で托葉がある。花弁はない。

アカエナ・マゲラニカ Acaena magellanica アカエナ・マゲラニカ
Acaena magellanica
一般名:Prickly Burr
 草丈約12cmになる多年草。茎は匍匐して約1mほどに広がる。
1968年 フォークランド諸島

アカエナ・サルメントーサ Acaena sarmentosa アカエナ・サルメントーサ
Acaena sarmentosa
1972年 トリスタン・ダ・クーニャ


 Alchemilla ハゴロモグサ属
 世界に広く分布。分類がむずかしく種数も100〜1000種と幅がある。この属をアルケミラ、アファネス、ラケミラの3属に分けることもある。

アルケミラ・ファエロエンシス Alchemilla faeroensis アルケミラ・ファエロエンシス
Alchemilla faeroensis

一般名:Lady's Mantle
1980年 フェロー諸島


 Amygdalus モモ属
 属名はアーモンドの語源ともなっているギリシャ名に由来。

モモ Amygdalus persica (Syn. Prunus persica) 一般名:Peach, 桃(中国)
 中国の黄河上流の高原地帯の原産。種小名の「persica」は、ペルシャ(イラン)経由でヨーロッパにもたらされたため、17世紀まではモモはペルシャ起源と思われていたから。「ペルシャのリンゴ」ともよばれていた。
モモ
鳥はブルー・ヘン・チキン
一般名:Blue Hen Chicken
1982年 アメリカ
モモ
1964年 北ベトナム
Amygdalus persica
1993年 台湾
モモノハナ
1990年 日本

オヒョウモモ Amygdalus triloba オヒョウモモ
Amygdalus triloba (Syn. Prunus triloba
一般名:Flowering Almond, Flowering plum
 中国原産。花は薄桃色で半八重または八重。
1997年 ロシア連邦


 Armeniaca アンズ属
 中国を中心に約8種が分布。子房に生える毛は果実になっても残り、果皮は有毛。アンズ属を広義のスモモ属 Prunus に含める見解もある。

ウメ
Armeniaca mume (異名:Prunus mume
一般名:Japanese Apricot, 梅(中国)
別名:コウブンボク(好文木)、コノハナ(木花)、カゼマチグサ
 日本人にもっとも親しまれている樹木のひとつ。しかし原産は日本ではなく中国。高さ5〜10mの落葉小高木。食用、観賞用に各地で栽培され、多くの園芸品種がある。日本への渡来は7世紀後半? 万葉集にはウメを詠んだ歌が118首あり、ハギに次いで多い。
ウメ Armeniaca mume ウメ 和歌山 ウメ 福岡県
2003年 日本 1990年 日本 1990年 日本
ウメ ブンゴウメ
1961年 日本 1990年 日本


 Cerasus サクラ属

サクラ属の切手はこちら


 Chaenomeles ボケ属
 東アジアに4種が分布。落葉または半常緑の低木または高木。属名はギリシア語の「chaeno (大口をあける)+meles (リンゴ)」に由来し、熟した果実が裂けると考えられたからという。

クサボケ
Chaenomeles japonica
一般名:Dwarf Japanese Quince, 草木瓜(中国)
 日本固有種。落葉低木。本州から九州の山野に普通にみられる。枝は匍匐(ほふく)する。
 秋に熟す果実は芳香があり、果実酒などをつくる。
クサボケ Chaenomeles japonica
1997年 ロシア連邦
Chaenomeles japonica
2003年 ジャージー


 Comarum クロバナロウゲ属
 花柱の子房につく位置がキジムシロ属とは異なるが、キジムシロ属に含める見解もある。属名は花後に花床がふくらみ、セイヨウヤマモモの果実(ラテン語で comaron )に似ることによる。世界に2種が知られる。

Potentilla palustris クロバナロウゲ(黒花狼牙)
Comarum palustre (異名:Potentilla palustris
一般名:Purple Marshlocks
 ユーラシア大陸や北アメリカに広く分布する多年草。湿地を好む。花は暗紫色。日本でも本州の長野県以北と北海道にまれにみられる。
 切手印面では Potentilla palustris となっているように、この植物をキジムシロ属とする場合も多いが、ここではクロバナロウゲ属とした。和名は「黒い花の咲く狼牙」で、狼牙とはキジムシロ属のミツモトソウの中国名。
1983年 アイスランド


 Crataegus サンザシ属
 北半球の温帯に約280種が広く分布する。とくに北米で多くの種が分化している。

Crataegus azalorus サンザシの1種
Crataegus azalorus
2003年 マルタ

Crataegus oxyacantha クラタエグス・ラエウィガタ(セイヨウサンザシ)
Crataegus laevigata (印面はCrataegus ocyacantha
一般名:May Flowea, Engulish Hawthorn, May Bush
 ヨーロッパからアフリカ北部に分布。「セイヨウサンザシ」と呼ばれるもののうちのひとつ。
1981年 ブルガリア

クラタエグス・モノギナ(ヒトツブサンザシ、セイヨウサンザシ)
Crataegus monogyna
一般名:Mayflower, Hawthorn, Thorn Apple(果実)
 「セイヨウサンザシ」(下記【セイヨウサンザシ】の項参照)と呼ばれるもののうちのひとつ。
 ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに分布。高さ9mになる落葉高木。果実には小核が1つしかないので、ヒトツブサンザシの名もある。種小名もそれにちなみ「単一雌ずいのある」の意。
セイヨウサンザシ Crataegus monogyna
1961年 ユーゴスラビア
Crataegus monogyna
2004年 アイルランド
Crataegus monogyna
1979年 ドイツ
Crataegus monogyna
1997年 ジャージー

【セイヨウサンザシ】
 上記クラタエグス・モノギナ(Crataegus monogyna)、クラタエグス・ラエウィガタ(C. laevigata)などを、日本では一般にセイヨウサンザシと呼んでいる。
 キリストの荊冠(けいかん)がこれでつくられたという伝説がある。飛び散ったキリストの血がサンザシを清めたとすることから、中世には厄よけの木となった。また、イギリスの5月を代表する花木で、「メイフラワー Mayflower 」または単に「メイ」とよばれ、多くの文学作品に登場する。古代ギリシアでは結婚式の松明(たいまつ)に用いられ、枝が花嫁の花冠になった。ローマでは葉を、魔女の呪術を退けるため、赤ん坊の揺りかごに入れた。またこの木の枝を持っていると、船は嵐を避けることができ、陸上の旅人は雷に打たれないといわれた。
 英名のホーソーン(Hawthorn)は、「垣根のトゲのある灌木」の意味で、この木が生垣などによく用いられることから。
 花言葉は「希望」(イギリス)など。

サンザシの1種 Crataegus sp. サンザシの1種
Crataegus sp.


鳥はルリツグミ(ブルーバード)
Sialia sialis
一般名:Eastern Bluebird
ヒタキ科 ルリツグミ属
 北米東部に分布。美しい声でさえずる。しばしば巣箱も利用するので人々に親しまれている。全長は約14cm。雌雄とも胸が赤く腹は白い。雌の頭と背は灰褐色。
 なお、米国州鳥の中でブルーバードとよぶ鳥は他にもムジルリツグミ(Mountain Bluebird アイダホ州、ネバダ州の鳥)がある。ちなみに、メーテルリンクの「青い鳥」はこれらの鳥とは関係がない。
1982年 アメリカ


 Cydonia マルメロ属
 落葉の高木。マルメロ1種からなる単型属。
マルメロ(クインス)
Cydonia oblonga

一般名:Quince, Marmelo
 中央アジア原産の落葉小高木。果実は洋梨形またはリンゴ形で芳香がある。果皮には綿毛が密生する。しばしばカリンと混同されるが、以下の点で区別できる。
■マルメロ:葉には鋸歯がない/葉裏および果皮に綿毛がある
■カリン:葉に細かい鋸歯がある/果皮は無毛
 また属も違って、カリンはボケ属である。
 日本には寛永11(1634)年に、中国から渡来したとされる。現在では長野県諏訪地方が産地であるが、この地方では導入時に「カリン」と誤称し、現在もその呼称が定着している。
 果肉は硬く、生食に適さないため、菓子や果実酒の材料に利用される。
 「マルメロ」の名はポルトガル語に由来する。またマルメロのジャムをポルトガル語でマルメラーダ marmelada と呼ぶが、これがマーマレード marmalada の語源となったという。
マルメロの四季(1984年 モナコ
Cydonia oblonga Spring Cydonia oblonga Summer
春(Spring) 夏(Summer)
Cydonia oblonga Autumn Cydonia oblonga Winter
秋(Autumn) 冬(Winter)


 Dryas チョウノスケソウ属
 常緑の小低木。茎は匍匐する。氷河時代の寒冷期を指標する植物。

マキバチョウノスケソウ Dryas integrifolia マキバチョウノスケソウ
Dryas integrifolia
(またはドリアス・オクトペタラ D. octopetala
一般名:Mountain Avens
カナディアン・ロッキーの高山帯に生育する。
1966年 カナダ

Dryas octopetala ドリアス・オクトペタラ
Dryas octopetala
一般名:Mountain Avens
1964年 アイスランド


 Eriobotrya ビワ属
 約25種が中国から東南アジア、ヒマラヤ山脈の暖温帯から亜熱帯に分布するが、中国中南部からインドシナ半島北部の狭い地域に多い。属名は、ギリシャ語の「羊毛(erion)」と「ブドウの房(botrys)」に由来する。

ビワ属の切手はこちら

 Fragaria オランダイチゴ属
 小型の多年草。北半球の温帯を中心に15種ほど知られている。葉は通常3出羽状複葉。食べる部分は肥大した花床(花托)。その上につく粒々が実際の果実(痩果)。

エゾヘビイチゴ(ヴェスカイチゴ)
Fragaria vesca

一般名:Wild or Alpine Strawberry
 ヨーロッパからアジア、北米にかけて広く分布。日本では北海道に帰化。種小名は「食べられる」の意。果実(偽果)が白いものもある。
エゾヘビイチゴ Fragaria vesca エゾヘビイチゴ Fragaria vesca エゾヘビイチゴ Fragaria vesca
 1970年 サンピエール・ミクロン 1996年 ノルウェー 1964年 ルーマニア

フラガリア・オリエンタリス Fragaria orientalis フラガリア・オリエンタリス
fragaria orientalis
1987年 モンゴル


 Hagenia ハゲニア属
 アフリカ北東部に生育する小高木。雌雄異株。ハゲニア・アビッシニカ1種からなる単型属。

Hagenia abyssinica ハゲニア・アビッシニカ
Hagenia abyssinica
 東アフリカの高地に生育。葉は常緑の羽状複葉。乾燥した雌花は駆虫剤に、材は赤く、家具や床板に使われる。
1986年 エチオピア


 Malus リンゴ属
 落葉の低木または高木。北半球に約25種が分布。果樹や観賞用など重要な種を多く含む。

Malus baccata var. mandshurica エゾノコリンゴ
Malus baccata var. mandshurica
一般名:Crab Apple, Siberian Crab Apple
日本では、本州中・北部から北海道の温帯から亜寒帯に分布する。ズミとよく似ている。
1975年 北朝鮮


マルス・イオエンシス Malus ioensis マルス・イオエンシス
Malus ioensis
一般名:Prairie Crabapple
 アイオワ州の産。種小名もそれにちなむ。ピンクまたは白色の美しい花をつけるので、19世紀末頃から栽培されている。果実は固くて酸味も強く、ゼリー、リンゴ酒、ビネガーなどに利用される。
1998年 アメリカ


リンゴ Malus pumila 一般名:Apple
 原産はアジア西部からヨーロッパ南東部であるが、世界各地で広く栽培されている。
リンゴ Malus pumila
1982年 アメリカ
リンゴ Malus sp.
1982年 アメリカ
リンゴの花 Malus sp.
2004年 日本
鳥はマネシツグミ Mimus polyglottos
一般名:Mockingbird, Northern Mockingbird
全長約25cm。アメリカ合衆国、メキシコ、西インド諸島に分布する。すぐれた歌い手として多くの人に親しまれ、また他の鳥の声などをまねるのがうまい。

声はミシガン大学のこちらのページなどで聴くことができます。(05/10/18 確認)
鳥はコマツグミ Turdus migratorius
一般名:American Robin
コネチカット州の州鳥でもある。
リンゴノハナ
1990年 日本


 Padus ウワミズザクラ属
 北半球の温帯に約10種が分布。総状花序をもち、花序枝(かじょし)にも葉をつける。樹皮に青酸配糖体を含む。

パドゥス・アシアティカ Padus asiatica パドゥス・アシアティカ
Padus asiatica
ウワミズザクラの1種
1987年 モンゴル

エゾノウワミズザクラ Padus racemosa エゾノウワミズザクラ
Padus racemosa
Syn. Prunus padus, Prunus racemosa
一般名:Bird Cherry
 ユーラシア大陸北部の温帯から亜寒帯に広く分布。花弁の方が雄しべより長い。
 この植物をはじめ、ウワミズザクラ属の樹皮には青酸配糖体が含まれ、ヨーロッパ諸国や米国では、この植物の樹皮を鎮咳薬などに用いる。種小名は「総状花序の」の意。
 日本には北海道の山地に自生し、アイヌ民族は臭気のある枝を戸口に立てて、病魔を防いだという。
1968年 スウェーデン


 Padus ウワミズザクラ属
 


 Potentilla キジムシロ属 (Cinquefoil, Five-Fingers)
 おもに北半球の温帯に約300〜500種が分布。多年草または1年草、2年草。葉は羽状複葉(うじょうふくよう)、掌状複葉(しょうじょうふくよう)、3出複葉など。花は黄色か白色がほとんど。近縁の属との境界がはっきりしないため、分類がむずかしいという。

Potentilla anserina ポテンティラ・アンセリナ
Potentilla anserina
Silverweed
1984年 アイスランド

ポテンティラ・エレクタ Potentilla erecta タチキジムシロ
Potentilla erecta
一般名:Tormentil
 花の直径 1〜1.5cm。花弁は4枚。
1996年 ベラルーシ

キンロバイ キンロバイ
Potentilla fruticosa
英名:Hard Hack, Shrubby Cinquefoil
高さ50〜100cmの落葉低木。花弁は黄色で梅の花に似る。ヨーロッパ、シベリア、中国、北米の高山や極地方に広く分布。日本では北海道と本州の中部・北部の高山に見られる。葉を茶として飲用する地域もある。
1976年 ブルガリア


 Prunus スモモ属
 北半球の温帯地域、とくに東アジアを中心に約200種が分布。

スピノサスモモ
Prunus spinosa
一般名:Blackthorn
 高さ1〜3.5mの落葉低木。果実の直径約1.2cm。
 おなじみのプルーン(ヨーロッパスモモ、セイヨウスモモ)の片親といわれている。
スピノサスモモ Prunus spinosa
1961年 ユーゴスラビア
Prunus spinosa
1983年 スウェーデン


 Pyrus ナシ属
 落葉高木。ユーラシアとアフリカ北部に約30種が分布。

Pyrus communis セイヨウナシ Pyrus communis
一般名:Common or European Pear
西アジアからヨーロッパの原産。現在では世界の温帯地域で広く栽培される。古代ギリシャ・ローマ時代の文献に栽培法などの詳細な記述がある。
1993年 イギリス

Pyrus bulgarica Pyrus bulgarica
1992年 ブルガリア

ニジッセイキナシ ニジッセイキナシ
ヤマナシ(ニホンナシ) Pyrus pyrifolia の園芸品種のひとつ。明治時代につくられた。
1990年 日本


 Rosa バラ属
 北半球の亜寒帯から熱帯山地にかけて分布し、約200種の野生種が知られる。

バラ属の切手はこちら

 Rubus キイチゴ属
 ラズベリー raspberry や ブラックベリー blackberry を含む大きな属。ほとんどのものは低木で茎や葉に刺がある。世界のすべての大陸に分布。分類の困難な群であるといわれ、種の数も200〜3000種と大きな幅がある。

チシマイチゴ Rubus arcticus チシマイチゴ
Rubus arcticus
一般名:Arctic Bramble, Crimson Bramble
 高さ15〜30cmの多年草。ヨーロッパ、アジア、北米大陸の高緯度地方にある沼沢地に広く分布。小葉は3〜5枚。葉の表面は滑らかで縁には鋸歯がある。茎に刺はない。夏に直径25mmほどのピンク、または赤色の花を開く。果実は球形で小鳥がよく集まる。
1998年 ロシア連邦

Rubus caesius ルブス・カエシウス
Rubus caesius
一般名:European Dewberry
 ヨーロッパに分布する落葉低木。果実は食用に、葉は茶の代用品にされた。
1981年 ブルガリア

ヤチイチゴ(ホロムイイチゴ=幌向苺)
Rubus chamaemorus

一般名:Cloudberry, Yellowberry, 雲苺(中国)
 ヨーロッパから北アジアに分布。高さ5〜25cmの小低木。雌雄異株。刺はない。ヨーロッパキイチゴとの交配に利用される。別名のホロムイイチゴは北海道の幌向(ほろむい)で見つかったから。ジャムなどに加工される。
ヤチイチゴ(ホロムイイチゴ) Rubus chamaemorus
1970年 サンピエール・ミクロン
ヤチイチゴ Rubus chamaemorus
1996年 ノルウェー

Rubus geoides ルブス・ゲオイデス(ネイティブ・ストロベリー)
Rubus geoides
一般名:Native Strawberry
 南米のチリ、フォークランド諸島に分布。食用にされる。
1983年 フォークランド諸島

ヨーロッパキイチゴ(エゾキイチゴ)
Rubus idaeus
一般名:European or American Red Raspberry, 覆盆子(中国)
 ユーラシア大陸、北米に分布。日本では北海道の山地、本州中・北部の亜高山や四国の石鎚山に見られる。
 形態的にも遺伝的にも変異に富む。イギリスではこれをラズベリーとよび、多くの園芸品種を作出している。ヨーロッパ、北米、オーストラリアなどで広く栽培されている。
ヨーロッパキイチゴ Rubus idaeus
1970年 サンピエール・ミクロン
Rubus idaeus
1964年 ルーマニア
ヨーロッパキイチゴ Rubus idaeus
1998年 ロシア連邦

ルブス・プロケルス
Rubus procerus Syn. R. discolor
一般名:Himalayan Blackberry
 ヨーロッパ産の半つる性低木。非常に刺が多い。この選抜種がバーバンクによって Himaraya としてアメリカに導入された。
ルブス・プロケルス Rubus procerus ルブス・プロケルス Rubus procerus
1964年 旧ソ連 1964年 ルーマニア

ルブス・サカリネンシス Rubus sachalinensis ルブス・サカリネンシス(ラズベリーの1種)
Rubus sachalinensis
Syn. R. idaeus subsp. sachalinensis, R. idaeus var. aculeatissimus, R. idaeus var. melanolasius
 東アジアに分布。ヨーロッパキイチゴ(エゾキイチゴ) R. idaeus の四倍体亜種?
1987年 モンゴル

Rubus saxatilis ルブス・サクサティリス
Rubus saxatilis
一般名:Stone Bramble
1988年 アイスランド


 Sanguisorba ワレモコウ属
 北半球の温帯に約30種が分布。花弁がなく、虫媒花から風媒花への変化の途中とされる。属名はラテン語の「sanguis(血)+sorbere(吸収する)で、止血薬として使用されることに由来。

ワレモコウ Sanguisorba officinalis ワレモコウ(吾木香、吾亦紅)
Sanguisorba officinalis
一般名:Great Burnet
 高さ1mになる多年草。ヨーロッパ、中国、日本などに広く分布。花弁はなく、萼片(がくへん)、葯(やく)、柱頭(ちゅうとう)が暗紅紫色で、これが花の色となる。葉は根生葉(こんせいよう)で羽状複葉。
 乾燥した根茎を漢方では止血剤とする。
1996年 ベラルーシ


 Sorbus ナナカマド属 (Rowan)
 落葉の低木または高木。北半球の温帯を中心に約80種が分布。
 北ヨーロッパでは「生命の樹」として尊ばれる。北欧神話によると、トールの神(雷神)が大洪水のとき、この木によって助けられたとされ、船をつくるときに、この木の板を一枚はめ込むと、水難に遭わないといわれるようになった。またこの木の枝を十字架のかたちに結び、落雷よけに煙突に立てたり、家畜小屋の戸口にかけたりした。また、「ナナカマドの日 Rowan Tree Day」(5月3日)には、乳牛の尾にこの十字架を結びつけて乳量を増やすことを祈った。英名 Rowan はスカンジナビア語の Runa (魔よけ)に由来する。
 日本にも魔除けの木として軒先に植えるところがあるという。和名の由来としては、七回竈に入れても燃え残るから、というのが知られているが、実際には決して燃えにくい木ではなく、この説に異論を唱える人も多い。例えば中村浩氏(「植物名の由来」東京書籍)によると、この名は炭焼きと関連した名で、「ナナカマドを原木として極上品の堅炭を得るには、その工程に七日間を要し、七日間かまどで蒸し焼きにする」の意であるという。
 旭川市の市の木。花言葉は「思慮分別」「解毒力と慈悲」「私といっしょにいれば安全」。

セイヨウナナカマド(オウシュウナナカマド)
Sorbus aucuparia 一般名:Mountain Ash, Rowan
 ユーラシア大陸の北部のほとんどでみられる高木。花には不快なにおいがある。
セイヨウナナカマド Sorbus aucuparia
1964年 旧ソ連
Sorbus aucuparia
1993年 イギリス
Sorbus aucuparia
1980年 アイスランド
Sorbus aucuparia
2004年 ベラルーシ

ソルブス・ドメスティカ Sorbus domestica ソルブス・ドメスティカ
Sorbus domestica
一般名:Servece Tree
 樹高9〜15m。南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産。葉の裏面は綿毛をおびる。花は白色。果実はジャムなどに利用される。
1996年 ルクセンブルグ

ソルブス・ヒベルニカ Sorbus hibernica ソルブス・ヒベルニカ
Sorbus hibernica
一般名:Irish Whitebeam
 高さ約15m。
1984年 アイルランド

Sorbus intermedia ソルブス・インテルメディア
Sorbus intermedia
一般名:Swedish Whitebeam
1985年 アイスランド



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